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 巨人を戦力外となった井納翔一投手(36)が、現役続行の意欲を示している。

 8日、自身のツイッターを更新。「今は他球団からの連絡が来ることを祈りながら、練習をしていきます!」とコメント。同日にはジャイアンツ球場で荷物整理を行い、同僚に別れを告げた。

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 20年オフにFA権を行使し、DeNAから移籍。当初は原監督からも先発ローテーションをフル回転で回ってもらうことを期待されていたが、在籍2年でわずか1勝と厳しい結果に終わっていた。

 一方、巨人ではもう一人のFA組、井納と同時期にDeNAから移籍してきた梶谷にも逆風が吹いている。4年総額8億円の大型契約を結びながら、シーズン1年目は勝負どころの9月に腰を痛め、10月に椎間板ヘルニアの手術を行った。迎えた22年は今度は左ひざを痛め、5月に再び手術。今季は1度も一軍に合流できずに終わった。これには原監督も落胆を隠せなかったという。

 梶谷に関してはこんな声もある。

 「そもそも4年契約を結んだときから『長すぎる』と危惧する声が上がっていた。いい選手ではあるがコンディション不良の時期が長く、夏場にはボールが前に飛ばなくなるとも。FA選手が活躍する条件はまず試合に出続けること、この点が当初から心配されていた」(球界関係者)

 梶谷はDeNA時代にも足首、脇腹、腰、肩痛、背筋痛を抱えるなど、満身創痍の状態ともいえた。これから36歳シーズンまで契約を残すとあって、今後のパフォーマンスにも暗雲が漂っている。

 さらに巨人の近年のFA選手の戦績といえば、費用対効果としては厳しい結果が突きつけられている。昨年、退団した陽岱鋼日本ハムからのFA移籍組。2017年から5年総額15億円の大型契約を結びながら、100試合以上出場したのは19年のみ(110試合、打率・274)、最終年はわずか7試合の出場にとどまった。

 17年オフに西武からFA移籍した野上も苦しんだ。先発として活躍が期待されながら、度重なる故障にも悩まされ、在籍4年(2020年は登板機会なし)でわずか5勝に終わっている。

 一方、巨人に移籍したFA選手が多くの場合、不完全燃焼な結果に終わる理由としてはこんなこともささやかれている。

 「まず巨人というのは注目球団、常勝軍団であること。結果を残さないとシビアな処遇に置かれることも多く、長い目では見てもらえない。すぐに結果が求められ、その後も継続した活躍が求められる」(同)

 ほかにも「FA下手」となっている背景には、球団の調査能力にも問題はあると指摘する声もある。

 「梶谷の場合も、本人の状態は成績や他球団とのネットワークがあれば、気づけるはず。中心選手が球団を去るときにそこまで引き留めないというのは、ピークが過ぎていると判断するなど、在籍中に何かしらの問題を抱えていることもある」(同)

 今季は5年ぶりのBクラスに沈み、オフは久々にFA戦線に打って出るともいわれている巨人。今度こそ実り多き補強をファンも望んでいるはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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