10月9日に放送された「日曜日の初耳学」(MBS/TBS系)のコーナー「インタビュアー林修」に、俳優の松坂桃李が登場。林修を聞き手に、周囲の言葉に耳を傾けながら歩んできたこれまでの俳優人生や、心境の変化について語った。

【写真】両手をひざに置き、姿勢正しく話をする松坂桃李

■インタビューの内容が変わった?

22歳の時に「侍戦隊シンケンジャー」(2009年、テレビ朝日系)のシンケンレッド役でドラマデビューを飾った松坂。現在までに日本アカデミー賞最優秀主演男優賞をはじめ数々の賞を受賞している実力派俳優だ。

一方で、かつて出演した「情熱大陸」(TBS系)の話題になると「密着期間が3カ月の予定だったんですけど、あまりにも何もなさ過ぎて5カ月に延びたんです」と自虐ぎみに打ち明けた。

そんな松坂が芸能界という華やかな世界でその才能を開花させてきた背景には、信頼するマネジャーの存在があったという。

林先生に「ある時期からインタビューの内容が変わった?」と問われると「(マネジャーに)『あなたのインタビュー内容がつまらなすぎる』と言われて、すごくショックだったんです。そこから、自分の中でもそのインタビューの場の空気を楽しく時間を過ごせるようにしたいなと思ってからは、しゃべったことがないこともしゃべるようになりました」と振り返った。

■周りの人の言葉に奮起

さらに、「シンケンジャー」後に初めて連続ドラマ出演が決まった時のエピソードも。「マネージャーさんに言われたのは『これはバーター(人気俳優との抱き合わせ)です。そこから先はあなた次第なので頑張ってください』。ここまではっきり言ってもらえると自分も頑張る目標が明確になってくるので、そこはありがたかったなと思いますね」という。

陰で支えるスタッフの言葉もあって俳優の仕事への向き合い方が変化していったという松坂。言葉の端々から、信頼する周囲の言葉に耳を傾け成長の糧にしてきた松坂の人となりがうかがえる。

以来、2012年に連続テレビ小説梅ちゃん先生」(NHK総合ほか)でヒロインの夫役、2014年には大河ドラマ「軍師官兵衛」(NHK総合ほか)で主人公・黒田官兵衛の息子・長政役と、着実に出演本数を積み重ねてきたが歩みは止めない。数々の作品で主演を務める今も「(マネジャーからは)毎年言われます、“今年が勝負です”って」という。

林先生から「演技をされるときに大切にしていることは?」と聞かれると、「“聞く力”」と答える。「年齢や経験を重ねていくと自分の物差しで正解を導くことが多くなってくると思うんですけど、それ以外の周りの言葉を大事にして生きていくことが大切なのかな」ときっぱり。周囲の言葉を取り入れる柔軟な姿勢は、演技に向き合う時の心構えにも現れている。

最新作は、10月14日(金)公開の映画「耳をすませば」。清野菜名とのW主演で、不朽の名作漫画に10年後のオリジナルストーリーも加えた話題作だ。自身も原作のファンだったそうで「10年後の聖司くんと雫ちゃんが見られるのかと思うと興味が湧いたんです」と、オファーを受けた当時を振り返った。

■めざす役者像は“再会の多い役者さん”

家庭を持ったことで、「より時間がゆっくり感じるようになったというか…家と仕事場での行き帰りの毎日みたいなものが、“家庭”っていうものが一つ入ることによって、時間の流れるスピードがちょっと緩やかになったかな」と語り、「結婚したからには身なりのいい格好をして出歩こうかなと思いました」と、ファッション面での変化も明かした。

今後、目指すものは「再会が多い役者さんになりたい」。「今までは出会いを増やすためにがむしゃらにやってきた部分はあるんですけど、年を重ねていくと出会いよりも再会の方が多くなると思うんですよね。なので、“再会が多い役者”になりたいなと思いますね」と、俳優としてのさらなる活躍を誓った。

「日曜日の初耳学」に松坂桃李が登場!/ (C)MBS