NMB48が2022年9月27日~30日に「NMB48 12th Anniversary LIVE」をグランキューブ大阪で開催。4日間5公演で、NMB48の楽曲を120曲披露した。

【写真】非選抜組の決意があらわになった「アンダーLIVE」など感動シーン盛りだくさんの5公演

今回はWEB連載「ポッター平井の激推しアイドル!」番外編として、12周年にちなんで“心に響いた12個のエモすぎた名場面”を中心にレポート!(写真は「アンダーLIVE」、12周年ライブDay3「JUMP虫」のみ)

■12周年ライブDay1「HOP虫」(9月27日)

9月21日に発売された27thシングル『好きだ虫』にちなみ、12周年ライブの3公演は「HOP虫」「STEP虫」「JUMP虫」というサブタイトルで行われた。

初日の「HOP虫」では、2~5期生をフィーチャー。彼女たちがオープニングを飾る4曲のフロントメンバーとして躍動する。センターを務めた4期生の川上千尋は「12周年だけに、皆さんを十二分に楽しませます!」と意気込んだ。

チームNメドレーでは、貞野チームNが初オリジナル曲『挑発の青空』を初披露!デビュー当時から続く次世代ユニット「難波鉄砲隊」メドレーでは、懐かしの楽曲もパフォーマンス。名曲の数々を現役メンバーが大切に受け継いでいった。

【名場面1】メンバーが客席に登場!

『初恋至上主義』、『らしくない』、『イビサガール』の3曲では、44人のメンバーが1階と2階の客席に登場。1階の通路の一部にはお立ち台も設置され、ファンに至近距離で笑顔を届けた。2日目以降も曲を変更して客席登場コーナーは継続。その模様はカメコ席(写真撮影が可能な席)の皆さんが撮影した写真がSNSに多数アップされているので、要チェック!

【名場面2】渋谷凪咲が曲中に“ホスト姿”で大喜利

NMB48劇場で秋からスタートする新公演のプレゼンコーナーも。「なんばSCHOOL」、「なんばSING」、「なんばCOMEDY」という3つのテーマでそれぞれ2曲披露し、ファン投票によって公演のテーマを決定する企画。なかでも「なんばCOMEDY」で渋谷凪咲がホストに扮して披露した『プライオリティー』では、曲中で得意の大喜利に挑戦。「このボディガード、役に立たなそう。その理由は?」というお題に対して、渋谷は「ヘラヘラしながら、『今日コンタクトつけてくるの忘れてきたんですわ』と言ってきた」と回答し、会場を笑いの渦に巻き込んだ。ちなみに源氏名は「王戯麟」(おおぎ・りん)。

【名場面3】期生別コーナーであふれたそれぞれの思い

2~5期生が、それぞれの思い出が詰まった1曲を披露。2期生の石田優美・鵜野みずきが歌い上げたのは、研究生時のバラード曲『想像の詩人』。ステージ後方のビジョンに過去映像が映し出されるなか、あまり感情を表に出すイメージのない鵜野が感涙。抱き合う2人を見て、グッときたファンも多かっただろう。

唯一の現役3期生である加藤夕夏は自身の初選抜曲『ヴァージニティー』を1人で、4期生の川上千尋渋谷凪咲は『サングラスと打ち明け話』を披露。曲の間奏で「ちっひーが今NMB48のセンターをしていること、めちゃくちゃかっこよくて、誇らしいです!」(渋谷)、「なぎさがバラエティでNMB48を引っ張ってくれていること、すごく誇らしいです!」(川上)と、お互いの胸の内を打ち明けた場面や、最後に川上が渋谷のセンター曲『夢中人』、渋谷が川上のセンター曲『好きだ虫』の決めポーズを“交換”した場面もエモすぎるポイント。

ドラフト2期生の堀詩音は、同期の本郷柚巴が体調不良で活動休止中のため、ソロで『嘘の天秤』をパフォーマンス。本郷の思いも背負おうと、自身の髪やネイルに本郷のサイリウムカラーである水色を入れたことを明かした。

5期生の小嶋花梨・上西怜・水田詩織も、研究生時の楽曲『太陽が坂道を昇る頃』をセレクト。水田は「この曲を3人で歌う日が来るとは思わなかった」と、同期が10人いたデビュー当時に思いを馳せた。

アンコール時のMCで、渋谷は「私たちメンバーがこうして集まったことも奇跡、私たちを応援してくれる皆さんと出会えたことも奇跡だと思う。これからも一緒にもっと大きな奇跡を起こして、素敵な景色を見に行きたい」と熱い思いを語った。

■「ここにだって天使はいる公演2022」(9月28日・昼公演)

「ここにだって天使はいる」公演(以下、ここ天)は、NMB48初のオリジナル公演として2013年11月19日に初日を迎え、昨年の夏にも1日限りの復活を果たすなど、メンバーからもファンからも根強い人気を誇っている。その公演の2022年バージョンが開催された。

【名場面4】8期生・坂田心咲がセンター抜擢!桜田彩叶・田中雪乃も奮闘

シングル『好きだ虫』の選抜中心のメンバー構成のなか、8期生の桜田彩叶(前半4曲まで)、田中雪乃(5曲目以降)も出演。今年1月に加入したばかりの2人にとっては覚えることも多く、「すごく大変だった」と声を揃え、パフォーマンスを終えた桜田は涙を流した。大きなプレッシャーから開放された安堵の涙だったのだろう。

ファンを驚かせたのは、同じく8期生の坂田心咲(みさき)がセンターに抜擢されたこと。ユニットコーナーではソロで『夢のdead body』を披露。もともと山本彩エレキギターを弾き歌唱していた曲を、オリジナルのダンスバージョンにアレンジして堂々とパフォーマンス。ニューヒロインの誕生を予感させた。アンコール時のMCで「責任とプレッシャーがすごくあって、自分に余裕がなくて、同期や家族に強く当たったこともあった」と、リハーサル時を振り返った坂田の瞳から涙がこぼれた。

【名場面5】坂田心咲に寄り添う渋谷凪咲、フォローする加藤夕夏

涙でコメントが出来なくなった坂田の隣にいた渋谷がそっと彼女の背中に手を回して優しく声をかければ、後列にいた加藤夕夏は「『夢のdead body』をダンスで披露するのが初めてで、プレッシャーがすごかったと思うんですけど、先輩たちのアドバイスをいっぱい聞いて、努力していました。めっちゃかっこよかったですよね!」とコメント。会場に大きな拍手の音が響き渡った。加藤はその後のMCで「これからもこの公演を私たちが守って、受け継いでいきたい」と抱負を語った。

“神セトリ”と呼ばれるほど名曲揃いで、衣装のかわいさ(&衣装を脱ぐ場面)も大人気の「ここ天」。劇場でのレギュラー公演としての復活を切に願う。

■12周年ライブDay2「STEP虫」(9月28日・夜公演)

【名場面6】ドラフト3期生と6期生の絆

「STEP虫」ではドラフト3期生(6人)と6期生(5人)をフィーチャー。センターの安部若菜を中心に、気合十分の熱いパフォーマンスを届けた。ドラフト3期生とほぼ同期の6期生。貞野遥香は「最初はドラフト3期生とバチバチしていました。29人で(研究生公演の)16人枠を争わないといけなかったので」と回顧。同じく6期生の出口結菜は「今は家族みたいで、なくてはならない存在です」と仲の良さを強調した。

チームMメドレーでは、原チームMが『なぜ、僕は立ち上がるのか?』を初披露!アンコール時のMCでは、上西怜が「大阪城ホールのステージに立つことが出来なくて悔しい。絶対にまた大阪城ホールに立って、この悔しさを成仏させて下さい!」と語った。

アンダーLIVE~今、私たちにもできること~(9月29日)

【名場面7】冒頭からフルスロットル

『好きだ虫』の選抜以外のメンバーが「今、私たちにもできること」をぶつけたアンダーLIVE。センターは石田優美。出口結菜と原かれんが両脇を固め、1曲目の『転がる石になれ』から8曲連続で激しいダンス曲が続き、「これでもか!」と言わんばかりの全力パフォーマンス!その後、緑のジャージに着替えサングラスをかけて登場した石田は、「物足りないわ!」と一喝。「私の真似をしてペンライトを振ってください!」とファンを煽ると、“石田キレキレジム”がスタート。石田は1階と2階の客席を駆け回って、ペンライトを使った振付を指導するなど大暴れ!「入会お待ちしています!」と言い残し、ステージを去っていった。入会したらぶっ倒れそうだ。

【名場面8】感極まる石田優美・出口結菜・原かれん

ユニットコーナーや、8期生によるモノボケ対決&30秒自己PRコーナーなどを挟み、本編ラスト曲は『365日の紙飛行機』。多くのメンバーが涙をこらえながら歌唱した後、石田は声を震わせつつ、「皆さんの温かい応援に感謝しています」と挨拶。この公演を共に引っ張った出口と原に「がんばろうね!」と声をかけた。

【名場面9】アンダーガールズ楽曲を初披露!

ファン投票イベント「NAMBATTLE2~愛~」の15位から24位までのメンバーで構成されるアンダーガールズが、『Time bomb』を初披露!この曲では、石田が振付、原が衣装制作に初挑戦。2人にとって思い入れの強い楽曲になったに違いない。石田は「本郷柚巴ちゃんが欠席だったので、ポジションを空けていました」と今回のこだわりを明かし、「いつか10人で踊りたい」とリベンジを誓った。

【名場面10】泣き崩れた堀詩音・和田海佑

アンダーガールズの各メンバーには、今日までにクリアしなければならないミッションが課せられていた。和田海佑の「グラビアで単独表紙を獲得」、堀詩音の「YouTubeで(地元である)北海道の商品紹介、CMオファーを獲得」はハードルが高く、苦戦を強いられたが、金子支配人からまさに今日クリアしたことを告げられると、2人ともその場に泣き崩れた。個人ミッションは全員クリア。彼女たちのがんばりに大きな拍手が送られた。

■12周年ライブDay3「JUMP虫」(9月30日)

最終日の「JUMP虫」では7~8期生をフィーチャー。そのメンバーで構成される、7期生の佐月愛果率いる佐月チームBⅡ曲『スワンボート』も初披露!フレッシュなパフォーマンスで魅了した。

ニューシングル『好きだ虫』は、アンダーLIVE以外の4公演で披露。今のNMB48の顔となるセンターの川上千尋をはじめ、選抜メンバー14人が確かな実力を見せつけた。

【名場面11】センター・川上千尋からのメッセージ

本編ラスト曲の直前、川上がメンバーを代表して心境を語る。「私たちは現状に満足していません。4日間を通して、メンバーそれぞれが悔しい気持ちや、『もっとがんばろう』という思いを持って活動していることを改めて知りました。そんな向上心のあるNMB48なら、まだまだ上を目指せると思います。これからも一緒にNMB48の歴史を築いてくださるとうれしいです。愛を込めて歌います。『難波愛』」

<難波愛 七つ転んで八つ起きて 日本一の さあ城をここに築こうか>…そう歌い上げる彼女たちの頭上から降り注ぐ紙吹雪がライトに照らされ、キラキラと輝いていた。

【名場面12】120曲を完遂!

アンコールでは、新公演が「なんばCOMEDY」に決定したこと、さらに10月15日(土)に東京・日比谷野外音楽堂で開催される12周年ライブの追加公演「NMB48 12th Anniversary LIVE〜This Is NMB48〜」の追加出演メンバー4人(眞鍋杏樹・佐月愛果・早川夢菜・田中雪乃)も発表された。

キャプテンの小嶋花梨は「メンバー全員を連れて行けなかった」と悔しさをにじませながら、「これが現実だと受け止めて、これからも全力で精進していきます!」と前を向いた。そして「次が最後の曲になります。120曲目です!みんなよく覚えましたー!」とメンバーを称え、「どんな時も、何が起こっても、この気持ちだけは忘れないという思いで歌わせていただきます」と、『てっぺんとったんで!』を熱唱!

アンコールの幕を下ろしたが、Wアンコールが発動し、伝統ある名曲『青春のラップタイム』を披露。堀詩音の手には、本郷柚巴うちわが握られていた。

「12周年ありがとうございました!またお会いしましょう!」と小嶋が最後の挨拶。NMB48の120曲(+AKB48など他グループの楽曲を含めてのべ157曲)を歌い遂げ、4日間5公演を無事に完走した。NMB48は13年目も全力で、がむしゃらに走り続けていく。

取材・文=ポッター平井

<ポッター平井・プロフィール>

構成作家・ライター。MBSラジオNMB48のTEPPENラジオ』などを担当。松田聖子さんの“輝き”に魅せられて以来、30年以上アイドルを応援し続けるアイドル・サポーター。

12周年ライブを開催したNMB48/(C)NMB48