食事は味覚だけでなく、嗅覚や視覚など、五感をフルに使って楽しむもの。しかし味や匂いが絶品でも、その「見た目」が気になって食事に集中できないというケースも。

以前ツイッター上では、とあるユーザーが投稿したスナック菓子「プリングルズ」に対する疑問に、共感の声が多数寄せられていたのだ。

【話題のツイート】開封して中身を見ると…


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■「騙された感がすごい」と疑問

注目を集めていたのは、ツイッターユーザー・醤油皿@レベル67さんが投稿した1件のツイート

「色々なお菓子の量が減らされてるって話題になってるけど、プリングルズの減りっぷりはもっと問題になって良いと思うの」という書き出しから始まる投稿は「開けたてでコレはヤバいよ。パッケージが袋状じゃない分、騙された感がすごい」と、疑問の言葉が続いている。

プリングルズ

投稿に添えられた写真には、文字通り「開封したて」のプリングルズが写っているのだが…ツイート本文を読んだ後に見ると、確かに容器内の「スカスカ具合」が気になってしまう。


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■「全く同じこと思いました」

幼少期に大好きだった菓子類を大人になってから食べた際、記憶に残っているボリューム感との差異に首を傾げた経験はないだろうか。

もちろん、子供の頃と比べて「大人目線」から見る菓子類は小さく感じられるものだが、不二家の「カントリーマアム」、やおきんの「うまい棒」、江崎グリコの「ポッキー」など、多くの大ヒット菓子の容量が、徐々に減少していることは事実である。

そうした背景もあってか、前出のツイートは投稿から数日で1万件以上ものRTを記録しており、他のツイッターユーザーからは「食べかけですか? っていう感じがする」「業者が製造過程でつまみ食いしてそう」「パッケージがそのままだから、損した感が凄いですよね」「久しぶりに買って食べたけど、全く同じこと思いました」など、共感の声が多数寄せられていた。

果たしてプリングルズの内容量は、それほどまでに著しく減少しているのだろうか。こちらの疑問を解消すべく、同商品を展開する「日本ケロッグ」に詳しい話を聞いてみることに。すると、予想だにしなかった「舞台裏」が明らかになったのだ…。

■プリングルズは「減って見える」理由があった

まず、同商品についておさらいしておくと「プリングルズ」(プリングル「ス」ではない)は1968年にアメリカで誕生し、以来世界140カ国以上で販売されてきた大人気ブランド。

プリングルズ

日本では「P&Gジャパン」より94年から販売され、12年以降はケロッグが商標権を取得。近年では「サワークリームオニオン」「うましお」に加え「CHEEEEEESE」が定番フレーバーとして追加されたり、21年8月には20年ぶりにロゴが刷新されたりと、今なお新鮮な気分で楽しめる大人気スナック菓子の一つだ。

今回のプリングルズ内容量をめぐるツイートを受け、ケロッグ担当者は「プリングルズの内容量に関してですが、15年9月販売分より変更していない状況でございます」と回答。

続いて「プリングルズは商品出荷時に重量測定を実施しており、規定値以下のものは出荷されないように管理しております。しかしながら製造工程上、若干チップスの厚みが異なったり、揚げる工程により大きさに差が出たり、輸送時における底の一部チップス砕けなどにより、容器内の空間が変わってくることもございます」と、文字通りプリングルズの「内部事情」について補足してくれたのだ。

プリングルズ

醤油皿さんをはじめとするユーザーが開封時に味わった「ガッカリ感」についても「今回、お客様からのご指摘にございますように、製品の一部に缶を開けた際の空間率が大きくなってしまっているのは、先ほど申し上げた現象も要因の一つではないかと考えております。一方で、お客様のご期待に添えない結果となってしまった事実につきましては真摯に受け止め、今後の商品開発に活かしてまいりたいと思っております」と、丁寧なコメントが寄せられている。


■ツイートのタイミングが絶妙だった…!

前出の通り、15年9月から内容量に変更の生じていなかったプリングルズだが、近年の原材料価格の大幅な上昇、資材費やエネルギーコストなどの高騰を受け、今年9月中旬より、内容量と缶サイズの変更が実施されているのだ。今回話題となった醤油皿さんのツイートが投稿されたのが9月5日のことなので、なんとも絶妙なタイミングである。

なお、各フレーバーの内容量「53g」商品は内容量に変更はなく、価格が上昇し、缶の高さが4mm減少。「110g」商品は内容量が105gに減少し、缶の高さも8mm減少しているので、店頭で目にした際は違和感を覚えるかもしれない…。

また、ケロッグでは定期的に「企業努力」ともいえるキャンペーンを実施しており、たとえば商標が同社に移った12年以降毎年、クリスマスシーズンにかけて内容量の増量キャンペーンを行なっているのだ。

プリングルズ

さらに19年以降は毎年、春先にも同様のキャンペーンを実施していたそうで、ケロッグがいかにユーザーの目線を大切にしているかが伺えるというもの。

今回の取材に際し、ケロッグからは「今後もプリングルズは『何気ない日常に 心弾む瞬間を!』をブランドスローガンに、様々な場面をお客様と共に共感しながら楽しむブランドとして、進化を続けて参ります」というコメントが寄せられており、今後もユーザーの意見に真摯に耳を傾けてくれることを期待したい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

プリングルズ開封後、中身に思わず目を疑う 「流石に減りすぎ」の声相次ぐが…