北海道の交通補助事業「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」では、JR北海道の「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」だけでなく、バスや飛行機、船でも割引が行われています。

北海道の需要喚起策で実施中

北海道が交通事業者を対象に行っている補助金事業「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」。活動自粛で失われた交通需要の喚起や、道内周遊の促進を図るため、2020年から順次続けられています。販売価格の最大50%が補助により割引になります。

本事業での割引キャンペーンで最も有名なのが、JR北海道の「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」でしょう。特急含む道内のJR全線が6日間乗り放題で、本来の周遊パスの半額、1万2000円と格安です。人気のため、すで予算枠に近づきつつあり、9月末のJR北海道の発表では「あと3~4週間程度で予定枚数に達して発売終了となる見込み」とのことです。

ところで、この割引キャンペーンはJR北海道だけではありません。道内のさまざまな交通機関で実施されていますが、どこでどのように安くなるのでしょうか。

北海道の鉄道は?

JR北海道以外の鉄道事業者で行われているのは、以下のキャンペーンです。(※2022年10月11日現在。この記事を読んでいる時点で、すでに販売終了が発生している場合もあります。こども料金については割愛)

道南いさりび鉄道「いさりび1日きっぷ」

1日全線が乗り放題になります。通常1000円のところ、3割引の700円となります。昨年10月に開始し、割引期間は「当面の間」としています。

道南いさりび鉄道・函館バス「いさりび1日カンパス」

道南いさりび鉄道全線と、函館市内のバス指定エリアが1日乗り放題になります。通常1800円のところ、半額の900円となります。キャンペーン終了時期は「未定」となっています。

なお函館市電は、「はこだて縄文めぐりパスポート」(JR・函館バス含む函館エリア乗り放題)の割引対象でしたが、すでに販売終了となっています。

北海道のバスは?

北海道中央バスほか全14社「RAKUTOKUBUS14」

都市間バスを運行する14社が共同でキャンペーンを実施中です。「らくとくスマホチケット」(計35路線)、「ぐるっと北海道割 2枚綴り回数券」(計18路線)を展開、通常の3割引で利用できます。

販売期間については、ことし9月1日の時点で「2022年12月31日まで販売期間を延長します」という発表がされています。

参加するバス事業者は、北海道中央バスジェイ・アール北海道バス、道南バス、北都交通、くしろバス、阿寒バス、十勝バス北海道拓殖バス、斜里バス、道北バス、北海道北見バス、網走バス、北紋バス、函館バスの計14社です。

●道南バス「ぐるーり道南フリーパス」
連続する1~3日間、洞爺・倶知安・室蘭・苫小牧・浦河・日高・札幌など全エリアが乗り放題となります(はこだて号などのぞく)。3日券は9900円です。販売は12月末までの予定。

●道南バス「苫小牧市内14日間フリーパス」
6000円で、苫小牧市内のバス路線が14日間乗り放題となります。販売は12月末までの予定。

●道北バス・旭川電気軌道・ふらのバス「かみくるパス」
旭川・名寄・上川・富良野・美瑛など対象エリアが1~3日間乗り放題となります。3日券は通常の半額の3500円です。販売は12月末までの予定。

沿岸バス「萌えっ子フリーきっぷ
豊富~羽幌~留萌~雄冬のエリア内が1~2日間乗り放題となります。2日券は通常の3割引の2800円です。販売は12月末までの予定。

このほか、たいせつライナー(旭川~新千歳空港)やわっかない号(札幌~稚内)をはじめ、複数の都市間高速バスの往復割引券や回数券が、通常より割引となっています。

北海道の飛行機・船・タクシーは?

●ANA「ANAタイムセール」
新千歳を発着し、函館・釧路・女満別・中標津・稚内をむすぶ道内路線が、便限定・期間限定で割引となります。対象予約期間はセールによって限られており、逐次Webサイトで確認が必要です。対象の便は12月末まで。

JAL・HAC「HOKKAIDO LOVE! 道内ぐるっと割」
道内の路線が割引となります。対象路線は、丘珠~女満別・利尻・釧路・函館・奥尻、新千歳~女満別、函館~奥尻の全便です。販売は12月末まで。

船の乗船券は、羽幌沿岸フェリーの焼尻島、天売島行きの航路、ハートランドフェリーの奥尻島行き航路で、往復が割引となります。販売は12月末まで。

その他、道内のタクシーが3割引で利用できる「北海道期間限定タクシー割引クーポン券」がありましたが、すでに販売終了となっています。販売は12月末まで。

北海道で走るキハ281系気動車(画像:photolibrary)。