監督集団「5月」が香川照之を主演に迎え制作した初の長編映画『宮松と山下』が、11月18日(金)に公開される。この度、90秒予告と追加場面写真が公開された。

数多くの名作CMや教育番組『ピタゴラスイッチ』を手掛けてきた東京藝術大学名誉教授・佐藤雅彦、NHKでドラマ演出を行ってきた関友太郎、多岐にわたりメディアデザインを手掛ける平瀬謙太朗の3人からなる監督集団「5月」。

“新しい手法が生む新しい映像体験”を標榜し、過去に2本の短編映画がカンヌ国際映画祭から正式招待を受けるなど注目を集めている。

映画・ドラマ・舞台に限らず、ニュース番組・教育番組など、八面六腑の活躍を続ける香川にとって本作は、ポン・ジュノ監督作品『TOKYO!<シェイキング東京>』、黒沢清監督作品『トウキョウソナタ』に主演した2008年以来の単独主演作品となる。



開された90秒予告は、「ヤー!」と大声をあげた香川照之演じる男が、勇ましく相手の侍に刀を振りかざすも、斬り返され倒れるところから始まる。

あたりは静まり、死んだはずの男がおもむろに立ち上がる。この男は「端役」ばかりを演じるエキストラ俳優・宮松。宮松が掛け持ちしているロープウェイの仕事で同僚から「なんでこの仕事をしているのか」と問われ、「エキストラだけで食べていける人なんていないよ」と切なげだ。

ある時は刀で斬られ、ある時は弓で射られ、ある時は銃弾に倒れるエキストラの宮松が映し出されるなか、一緒にタクシーの運転手をしていたという谷(尾美としのり)が現れたことから、宮松の日常は僅かに歪みだしていく。

何者かに押されて頭を強打する男。「12年前」という文字と共に、普段の様子からは想像できない笑顔で煙草を吸いながら振り向く宮松の姿。そして「お兄ちゃん、いつもここで吸ってたな」という妹の藍(中越典子)と「お兄さんといえば日本酒だったじゃないですか」という藍の夫、健一郎(津田寛治)の登場で、謎に包まれていた宮松の過去が徐々に明らかに。

「どこで何をしていたのか」、「どれが本当の彼なのか」という言葉と共にバッティングセンターホームランを打つ姿、同僚らしき人物と乾杯する姿、ちょんまげ姿でラーメンを食べる姿と様々な宮松が映し出される。これらはエキストラとして演じている役なのか、それとも宮松自身なのか。

「昨日までの自分を失ったら何を演じたら良いのだろう」という意味深な言葉と宮松の微かに変化する表情にミステリーを感じさせる予告編となっている。

あわせて公開された追加写真は、高級レストランで男性と食事をする野波麻帆、怪訝そうな顔でどこかを見つめる大鶴義丹、スーツ姿でビールを片手に持つ諏訪太朗、作業着の尾上寛之、白衣を着た黒田大輔。この5人は宮松のエキストラ仲間なのだろうか。それとも宮松の過去を知っているのだろうか。

現実シーンなのかエキストラシーンなのかより謎が深まるカットだ。

『宮松と山下』
11月18日(金)公開

『宮松と山下』