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矢野阪神が「終戦」を迎えた。14日に行われたヤクルトとのCSファイナルシリーズ第3戦(神宮)に3ー6の逆転負け。勝負どころのミスも響き、CSファイナルシリーズでは1勝もできず。今季限りの退任が決まっている矢野監督は「勝てるチャンスがあっただけに悔しいし、野球の難しさをこの1試合だけでも経験させてもらった」と言葉を継いだ。
そしてチームは前へ進む。前回指揮を執った2004年から05年のリーグ優勝を含め、在任5年で4度のAクラス入りを果たした名将、岡田彰布氏を迎えV奪回を目指す。
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第一弾の補強として注目を集めているのは、大リーグ・レンジャーズ傘下3Aラウンドロックに所属する有原航平投手(30)の存在もある。
有原は15年ドラフトで日本ハム、広島、阪神、DeNAから1位指名を受け、抽選の結果、日本ハムへ入団。1年目から8勝を挙げて新人王に輝くとプロ2年目の16年も11勝をあげ、リーグ優勝に貢献。19年は15勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得すると、20年オフにポスティングシステムを利用して、同年12月にレンジャーズと2年契約を結んだ。
一方、米国では故障に苦しんだ。21年は開幕ローテーション入りし、2勝を挙げたが、その後、故障者リスト入り。5月に右肩の動脈瘤(りゅう)の手術を受け、長期離脱となった。
今季はキャンプに招待選手として参加したものの、開幕前にマイナーに降格。8月中旬にメジャー昇格を果たすと、8月21日のツインズ戦で先発として6回0/3を4安打無失点に抑え、489日ぶりのメジャーでの勝利を手にした。ただ、その後は結果を残せずに3Aに降格。メジャー通算は15試合で3勝7敗、防御率7・57に終わっている。
阪神はかつてドラフトで1位指名したように、有原の力を高く評価。チームは青柳、伊藤将の左右二枚看板を筆頭に、先発陣では森木、才木、西純など若い選手も伸びてきているが、今オフはFA権を再取得した西勇の去就も流動的となっており、磐石の態勢を敷くためにも有原獲得を狙っている。
そして有原に熱視線を向けているのは今季投手陣の不調に苦しんだ巨人も同様だという。
「メジャーでは故障に苦しんだが、日本時代に先発として安定した力を発揮した有原はチームにとって魅力的。早い段階から調査を進めていたとされます」(球界関係者)
巨人の今季チーム防御率はリーグワースト。先発陣はエース・菅野の高齢化も進み、先発陣の中で安定した力を発揮するのは戸郷のみとあって、補強必至と見られている。
また獲得に臨むとなれば、巨人、阪神とも両指揮官の「出馬」も重要なポイントとなりそうだ。
次期監督の岡田氏は有原にとって早大の先輩にあたる。一方の巨人・原監督もこれまでの補強、FA戦線において「熱いトーク」で多くの選手を獲得してきた経緯もある。
来季から指揮を執る岡田氏と原監督においては「伝統の一戦」でこれまでも名勝負を繰り広げたことも知られている。早くも「第一ラウンド」の行方が注目を集めそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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