優勝チームから唯一選ばれたのがヤクルト山田哲人(30)。23本塁打、打率2割4分3厘、10盗塁と、かつてトリプルスリーを獲得した面影はなかった。

「チームトップの顔だった選手が、その座を村上に奪われたよね。ロッテ時代、落合(博満=68)さんが出てきたとたんに、有藤(通世=75)さんの成績が落ちたことを思い出す」(愛甲氏)

 パの内野手に目を向けると、日本ハム清宮幸太郎(23)が際立つ。BIGBOSS(50)の「痩せろ」との指示を実行し、レギュラーを獲得したものの、打率2割1分9厘は規定打席到達者の中で下から4番目。エラーも10個を記録している。一塁手としてゴールデングラブ賞を獲得した経験もある愛甲氏は、

「人工芝でイレギュラーもない時代だけに多すぎるね。彼はホームランバッターだけど、総合力に欠けている。フライボール革命の申し子を目指すのはいいが、打率があまりにも悪すぎる。ベンチも右打ちやエンドランをやらせにくい」

 と現状の弱点をスバリ。

 最下位の日本ハムとは対照的に、西武から4人が選出された。19年の首位打者であるキャッチャー森友哉(27)は、昨季3割を超えたが今季は2割5分1厘と、近年は1年置きに好調不調の繰り返し。開幕直後にロッカーでマスクを投げつけて右手の人差し指を骨折するなど、精神面にも弱さがうかがえた。

「下手なケガをして登録抹消されたり、闘志が空回りして打率も急降下。何事もなく出場していたら、それなりの成績を残しているはず。心の問題で、鍛え直していかないと」(伊原氏)

 二塁手外崎修汰(29)は、18年に2割8分7厘をマークして19年、20年はフル出場したが、この2年は2割台前半で失策数も10個。広島の名セカンド菊池涼介(32)は2割6分2厘で失策3個である。

「安定した成績を残せる選手が、ケガや休養で2割1分5厘では寂しい。今年の西武は8月頃まで優勝を争えたけど、後半戦は外崎、森を含めた打撃陣が不振で山川穂高(30)もホームランを打てなくなった」

 そう伊原氏が語るとおりチーム打率2割2分9厘はリーグ最下位だ。

 ショートはオリックス紅林弘太郎(20)。弱冠20歳でもありワーストとするには忍びないが、

「レギュラーとして出場している以上、この成績ではダメです。守備はまずまずだけど打撃がひどすぎる。いいところでも打てないし、追い込まれて外に投げられて凡打や三振。チームの期待度もあって出場を続けているが、清宮と似たような打撃成績では話にならない」(伊原氏)

 まだプロ入りして3年。来季のバッティングに期待したい。

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