柳俊太郎が演じる息吹(「最果てから、徒歩 5 分」製作委員会 2022)

 柳俊太郎(柳は木へんに夘)が出演する、BSテレ東の土曜ドラマ9枠『最果てから、徒歩5分』(土曜夜9時~9時55分)の第2話が15日、放送された。柳演じる息吹は、何でもスマートにこなし、観察眼が優れているが、彼の過去が明らかになった。※ネタバレあり。

 本作は、崖っぷちのオーベルジュで紡がれる、悲劇と喜劇のヒューマンドラマ。「生きること」も「死ぬこと」もできず、自殺の名所『志手の岬』から徒歩5分にあるオーベルジュ・ギルダ。最果ての地のオーベルジュだけに、訪れる客はそれぞれに事情を抱えている。『不倫報道でバッシングされている女優』『定年退職した日に離婚を突き付けられた男』彼らは滞在を通して“生きること”に気がつき、再生していく物語。

 柳はオーベルジュ・ギルダで働く従業員・是枝息吹を演じている。第2話では、その息吹の過去が明らかになる。

 すもも(岡田結実)、息吹、膳(竹財輝之助)、夕雨子(内山理名)の4人はモーニングを囲んで楽しんでいた。息吹は夕雨子を見るや否や、異変を感じ寝不足である事に感づく。聞くと、夕雨子は望月(中村靖日)の好きな「ハンターアカデミー」を夜通し見ていたのであった。

 ランチの営業ではすももがおぼつかない様子で仕事をしていると、すかさずスマートにフォローを入れていく息吹。すももはお客さんと坂本柚月(橋本マナミ)のゴシップで盛り上がり、その様子を離れた所から息吹、膳、夕雨子は呆然と見ていた。デザートに手も付けず、芸能人のゴシップを好む、お客さんとすももに息吹は不機嫌になる。息吹の口から、当事者間の問題に外野が詮索してあれこれ言う様子が気に食わない、とあたかも本当の彼女の姿を知る口ぶりで語られた。

 そんな中、坂本柚月が来店したのであった。柚月があらわれると、息吹はその場から逃げるように立ち去ろうとするも、柚月に見つかってしまう。そこで息吹は元ホストであった事が明らかになる。息吹の「人を観察して気遣い、周囲に敏感な観察眼」は元ホストの経験からくるものであった事が続いて明らかとなる。

 客室へ案内する息吹。柚月と話す中で互いに過去に何かがあった事を察する。息吹は柚月と少し会話すると、しばらく何も食べていないのではないかと勘付く。そして、膳に消化の良い料理を依頼した。息吹の観察通り、柚月は消化の良い料理を食べていく事で活力がみなぎっていく事になる。元ホストの息吹の目利きは流石のものだった。

 こうしてまた、ギルダはお訪れたお客様に活力をみなぎらせ自殺の他にも選択肢を与えるのであった。