ヴァンフォーレ甲府が成し遂げた歴史的瞬間に、多数のサッカーファンが胸を揺さぶられている。

甲府は16日に第102回天皇杯決勝でサンフレッチェ広島日産スタジアムで対戦した。

過去最高成績はベスト8ながら、今大会では北海道コンサドーレ札幌サガン鳥栖アビスパ福岡鹿島アントラーズと、J1勢を次々に撃破。クラブ史上初の決勝の舞台でもトーナメント特有の勢いそのままに、27分にショートコーナーからFW三平和司が先制点を挙げた。

だが、ボールを握る広島の前に我慢の時間が続くと、84分に広島MF川村拓夢にゴールを許し、90分を終えて延長戦へ。延長後半にはPKを献上し、絶体絶命のピンチを迎えたが、守護神GK河田晃兵がMF満田誠のキックをストップ。120分でも決着はつかず、勝負の行方はPK戦へ委ねられた。

GK河田はPK戦でも1つビッグセーブを見せると、後攻の甲府は全員が成功して迎えた5人目、DF山本英臣がきっちり沈め、見事初優勝の栄冠を手にした。

勝負を決めた山本は甲府在籍20年目。この試合はベンチスタートとなったが、同点ながらも押し込まれた状況下、落ち着きをもたらす役割を持って102分に途中投入された。だが、直後に偶発的ながらもハンドでPKを献上してしまっていた。

ただ、前述の通り、GK河田がこれをしのぎ、山本は勝負を決めるキッカーとして登場。42歳となった大ベテランの一振り後には「甲府の奇跡がすばらしすぎる」、「この終わり方は本当に劇的」、「このシナリオは書けない」、「感動しました」、「この瞬間だけでも鳥肌が立つ!」と、多数の感動の声が寄せられている。

J2勢の天皇杯優勝は2011年第91回大会のFC東京以来2度目。甲府としても史上初の国内トップタイトルの獲得となっている。

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