累計2100万部突破の人気漫画を原作に、闇金融業者と債務者たちの人間模様を描いて人気を博した実写版闇金ウシジマくん」シリーズ。その新シリーズとなる「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」が、9月20日からMBS・TBSの「ドラマイズム」枠で放送中だ。この度、「闇金ウシジマくん」シリーズでカウカウファイナンス高田役として取り立て屋を演じ、新シリーズにも同役で出演中の崎本大海にインタビューを実施。俳優業だけでなく、資産運用アドバイザーとして金融に関する情報発信も行う崎本に、「お金」に関する経験や「闇金ウシジマくん」シリーズで心に残っている名言、自身の今後について聞いた。

【写真】“犀原茜”高橋メアリージュンを見つめる“高田”崎本大海と“柄崎”やべきょうすけ<闇金サイハラさん>

実写版闇金ウシジマくん」シリーズは、非合法な金融屋と債務者との様々な人間模様や社会の闇を描いた人気コミックを映像化したシリーズで、お金に関わるリアルな描写から、お金の怖さ・信用の重み・今の自分に向き合う事の大切さ等に触れることができ、学びのあるコンテンツとしても注目されている。

その新シリーズである「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」は、人気キャラクター・犀原茜(サイハラアカネ)を主人公に、女性でありながら非合法な金貸しとして生きる彼女がヤクザたちにつけこまれ、理不尽な要求を受けながらも裏社会で生き抜く様を描く。地上波放送の1週間前に映像配信サービス・dTVにて先行配信中。また、「闇金ウシジマくん」シリーズ全8作品も同サービスにて一挙配信されている。

■崎本大海「自分で決めたルールを守れない人はお金の失敗をしてしまう」

――俳優として「闇金ウシジマくん」シリーズでは取り立て役を演じていた時期に私生活では消費者金融での借金を重ねていたとお伺い致しましたが、本当ですか?

20代で安定した収入が得られるようになって生活水準が上がっていた中、30代で収入がどんどん減っても支出は減らせず、結果カードでのリボ払いやキャッシング、知り合いへの借金やカードローンの借金とみるみる膨らんでいきました。

ウシジマくんで作中に登場する様々な債務者と向き合う一方で、私生活での借金がバレてニュースにでもなったらどうしようと不安になりながらこっそり消費者金融のATMに借金を返しに行っていました。

――お金で失敗する人の特徴として何が挙げられるでしょうか。

自己評価と他人からの評価に差がある人や、客観的に物事を見られない人は投資を含め、お金の管理に不向きなのかもと思います。また、「使ってもいい金額」というものをしっかり把握できていない人も失敗する人の特徴として多いです。

少なくとも「絶対に手を付けてはいけないお金」というものを作るのは重要です。自分で決めたルールを守れない人はお金の失敗をしてしまう人なのかなと思います。

でも人間は自分のことが一番わからない。そこで「闇金ウシジマくん」はお金で失敗する人物像をパターン別に示してくれているので、ストーリーを見ながら自己投影できたり、この作品で描かれるお金に関して人と話すようになって気付いたりと、学んでいくきっかけになる作品なのではないかと感じています。

――お金に関する失敗エピソードからの学びや過去の自分に言いたい事はありますか?

失敗エピソードは沢山ありすぎて選べないですね(苦笑)。でもやっぱり、痛い目を見ないと分からないと思います。失敗しないに越したことはないですが、痛い目を見るほか変わるきっかけはないように感じています。ウシジマくんシリーズではその失敗を何パターンも生々しく体感できるので、反面教師にできる良い教材なのではないでしょうか。

そして過去の自分には「本当に大切な人を見極めて、多少恥ずかしくてもその人達の事は日頃からちゃんと大切にしてほしい」と伝えたいですね。僕は自分がお金に一番困っていた時、一番身近な家族に優しく出来ていなかったんです。調子に乗って家族を見下したような態度を取っていた時期もありました。

でも結局立ち直ることができたのはやはり家族の助けがあったからだし、精神的な拠り所になったのも家族でした。今は家族を大事にしていて定期的に集まるようにしています。甥っ子もいるのですっかりおじさんになっていますね。甥っ子にはおもちゃを買ってあげたり、無条件に出来ることは何でもしてあげたいと思っています。

――今後の夢は「芸能界と投資家を繋ぐファイナンスを成立させる要になる」とのことですが、夢実現に向けて今具体的に活動されている事はありますか?

映画・舞台に対する融資の形を作りたいと思っています。日本はアメリカや中国と違って個人が出資出来る映画ファンド等がなく、面白い作品を作るためにクラウドファンディングみたいな形で出来ればと。僕は日本のエンタメが好きなので、僕ならではの貢献が出来るのではと思っています。また、自分の影響力を育てるためにYouTubeを開始しつつ、勉強しているというのが現状です。

■「ウシジマくんで出てきた名言はどれも自分の心に響く」

――現在放送中の「闇金サイハラさん」の見どころを教えてください。

いままでのキャラクターが、変わらないやつもいれば、進化してきっちり仕事するやつもいて胸が熱くなるシーンが見どころです。ウシジマくんシリーズは他の作品よりも今までのキャラクターが思いもよらないタイミングで再登場することも醍醐味かと思いますし、感慨深さなども楽しんでいただきたいです。

――闇金サイハラさんがきっかけでウシジマくんを知った方にオススメのシリーズ攻略法はありますか?

シリーズで計8作品もあり数が多いですが、全て見ると繋がっていたりするのでぜひ全作品見ていただきたいと思ってはいますが、もし今放送中のサイハラさんが気になっていて見たい人は、映画のシーズン2だけでも見て頂けるとライトに楽しみやすくなるかと思います。

――ウシジマくんシリーズで心に響いた名言はありましたか?

「自分がしてきた事の責任を何処かできちんと取れば人は変わる」。

自分が変わる事って、過去を切り捨てるとか、今までの自分じゃなくなることと思いがちですが、むしろ今まで自分が歩いてきた道の後片付けというか、やり残したことが自分の中で後悔するように未熟だった部分に立ち返ってそこからやり直すことだと思っています。その考えの方が、自分が変わりたいと思っている場合は非常に有効なのではないかと思っています。ウシジマくんで出てきた名言はどれも自分の心に響くものが多いですね。

――ウシジマくんシリーズをはじめとする人気の映画やドラマ、ライブ映像などの映像作品が楽しめるdTVですが、普段崎本さんはどのように映像コンテンツを楽しんでいますか?

本来アニメを観るのがとても好きなのですが最近は忙しくてあまり観られていないのが残念です。また、今年結婚したので、家では奥さんが韓国ドラマや男性アイドルのライブ映像を観たりしていて、それを横目に見ています。奥さんイケメンは好きじゃないって言っていたのに…(笑)。

――最後に過去の経験を通して伝えたいメッセージをお願いします。

「心の負債、貯まってませんか」。

過去に精算出来ていないことがあると、ほかの事も上手くいかなくなります。僕は都合の悪いことに向き合うことが苦手でしたが、「今」に集中するためには負の遺産に向き合うことが、結局いちばんの近道だったと今では思います。

崎本大海がインタビューに応じた/(C)2022 真鍋昌平・山崎童々・小学館/ドラマ「闇金サイハラさん」製作委員会・MBS