7月に公開され、大きな注目を集めた映画『エルヴィス』のブルーレイ/DVDが間もなくリリースされる。本作は様々な形態でのリリースを予定しているが、高解像度の4K ULTRA HDとブルーレイのセットも登場。色彩、画質、音響すべてにおいて高クオリティの4K ULTRA HD盤の視聴会が先ごろ開催された。

『エルヴィス』は、“世界で最も売れた歌手”としてギネス記録を持つ伝説のスター、エルヴィス・プレスリーの半生を描いた超大作。その後の人生を決定づけた少年期の出来事、運命を変えるマネージャーとの出会い、全世界を席巻したメジャーデビュー後の活動と苦悩、そして晩年までが数々のヒットナンバーを交えて綴られる。誰もがその名を知っている、誰もがその姿を見たことがある史上最大のスターの“知られざるドラマ”を描いた作品だ。

そんな本作を、ハイクオリティで体感できる視聴会が都内にあるドルビージャパン視聴室で実施され、4K ULTRA HD盤のポテンシャルが存分に発揮される環境が用意された。本アイテムはDolby Visionで収録された4Kの美しい映像が堪能でき、音響もDolby AtmosとDolby Digital 5.1chを収録。本作の監督を務めたバズ・ラーマンは映像に徹底にこだわる人物として知られており、本盤は監督の想い、意図を余すところなく楽しめる内容になっている。

本作の撮影は、ラーマン監督と『オーストラリア』でもタッグを組んだマンディ・ウォーカーが担当。映画は全編がデジタルで撮影され、いくつかのシーンを除いて巨大なセンサーを搭載したカメラArri Alexa 65が使用されている。

通常、巨大センサーを搭載したカメラで撮影された映像は、細部までが丁寧に表現され、色彩も鮮やか、画面の明るい場所と暗い場所の階調が細やかに表現されることが魅力だ。視聴会で披露された映像でも、ステージで歌うエルヴィスの衣装の色の階調の細やかさと美しさ、ライトを浴びる彼とステージの光の加減、誰もいないスタジオでひとりたたずむエルヴィスを捉えたショットの暗闇の部分の表現などは格別で、立体的な音響も相まって“まるで目の前にエルヴィスがいる”感覚を味わえる。

その一方、本作はエルヴィスが活躍した1950年代から70年代を主な舞台にしており、劇中には過去の記録映像やフッテージ、当時の写真などが折り込まれ、映画のために撮影した映像も劇中の時代の空気感を出すために撮影後に処理が行われている。つまり、4K映像で多くの人がイメージする“クッキリ、ハッキリ、鮮やか”だけではない、どこか懐かしく、色の表現も曖昧で、まるでフィルムで撮影したような少しザラついた映像も数多く登場するのがポイントだ。

驚いたのは、視聴会で披露された4K ULTRA HD盤はそれらのザラつきや、色の“くすみ”も見事に表現していたことだ。単にすべてがクッキリとしているだけでなく、映画『エルヴィス』が描こうとしている映像の“深み”も4K ULTRA HD盤はしっかりと表現する。晩年のエルヴィスが何年にも渡って開催した伝説のラスベガスショーの場面では、オースティン・バトラー演じるエルヴィスの映像、それをとりまく70代ファッションに身を包んだ人々が交互に映し出されるが、4K ULTRA HD盤はライトが集中して降り注ぐステージ上と、客席の空間の光の違いを丁寧に表現しつつ、そのどちらも“クッキリ、ハッキリ、鮮やか”だけではない淡い色や、レンズが生み出す意図した映像のボケやにじみを精細に表現していた。

4K ULTRA HDは近年、映画ファンにも愛されているフォーマットで、自宅にいながら映画館クオリティの映像が楽しめるもの。過去の名作やクラシック映画の4K ULTRA HDも多くリリースされ、高評価を集めている。映画『エルヴィス』は2022年の映画だが、高精細な映像表現と、淡かったり深みを感じたりできる映像表現が一度に楽しめる作品で、4K ULTRA HDがその実力を発揮できる作品といえるだろう。

『エルヴィス』4K ULTRA HD&ブルーレイセット

『エルヴィス』
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10月19日(水)ブルーレイ&DVD発売
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサルエンターテイメント
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『エルヴィス』