今夏にマンチェスター・Cへ移籍後、圧巻のペースで得点を積み重ねるノルウェー代表FWアーリング・ハーランドが毎日のように紙面のトップを飾るなか、イングランドの下部リーグで“怪物”と得点数を競うストライカーがいる。19日、イギリスメディア『アスレティック』が伝えた。

 ノッツ・カウンティに所属するイングランド人FWマコーリーラングスタッフは、今季のナショナルリーグイングランド5部)で13試合に出場し、15得点を記録。プレミアリーグで10試合15ゴールのハーランドに比肩するペースでゴールネットを揺らし、徐々に注目を集める存在となっている。

 そんなラングスタッフは『アスレティック』のインタビューに対し、「ちょっと楽しいよ。彼は今、世界最高のストライカーだから、彼と同じセンテンスで語られることは、とてもとても名誉なことなんだ。毎週、『ハーランドに抜かれるぞ』とか、『今日、点を取らないと抜かれるぞ』とか、からかわれるんだ。彼は本当にトップレベルでやっている。自分もそのレベルに到達して、そこでゴールを決めたいという願望がある」とハーランドとの比較について語っている。

「彼の動きやプレーぶりを見るのが好きなんだ。彼はとても才能があり、信じられないほどの身体能力を持っている。とても背が高く、パワフルだ。僕にはできないようなことをやってのける。でも、彼のプレーを見て、自分のプレーに活かせるようなことを見つけていきたい。守備者が彼に近づけば、スピードで置き去りにされる。間合いを空けて彼と対峙しても、反転されて背後を取られる。プレミアリーグのDFは彼にうんざりしているだろうね」

 現在25歳のラングスタッフはミドルスブラの下部組織出身。マーク・ヴィドゥカやジミー・フロイド・ハッセルバインク、ヤクブに憧れて育ったというが、13歳でアカデミーとの契約を打ち切られた。その後はビリンガム・シンソニア(現在10部)、ブライススパルタンズ(現在6部)、ヨーク・シティ(現在5部)を渡り歩き、昨シーズンはゲーツヘッドの5部昇格に貢献。今夏にノッツ・カウンティへと完全移籍し、5部からの脱出を目指す古豪でエースとして活躍している。

「ノッツのため、昇格のためであり、それ以外の何ものでもない。もし、今シーズン、ハーランドより多くのゴールを決めるか、それとも昇格を勝ち取るかと聞かれたら、迷わず昇格を選ぶだろう。もし、得点王になってリーグを制覇できたら、信じられないようなことだ。その一方で、ハーランドと同じペースでプレーできれば、それはチームとしてうまくいっているということを意味する。ベストを尽くすよ」

 身長195センチメートルのハーランドよりも17センチ小さく、ノッツ・カウンティではビルドアップへの参加よりも、ボックス内でストライカーの嗅覚を発揮することが求められているというラングスタッフ。今季からチームを率いるルークウィリアムズ監督は、同選手の才能を次のように称えた。

「彼は正しいフィニッシュを選択する本能を備えている。ボールを叩くスピードや角度を心得ているんだ。これらの小さな違いが鍵になる。必要とされる本当の冷静さを持っている。彼は物事を分析することができ、左足、右足、頭でシュートを打てる。彼はこれからもっと注目されるようになるだろうし、それにはフラストレーションも伴う。選手のキャリアにおいて、初めて相手から特別扱いされることは、とても難しいことだ。でも、どんなにマッカ(ラングスタッフの愛称)に注目が集まっても、彼が相手に痛い目を遭わす瞬間は必ず訪れるさ」

 プレミアリーグではレスターの元イングランド代表FWジェイミー・ヴァーディのように、ノンリーグからスターダムにのし上がった選手も少なからずいる。ラングスタッフもいつの日か、トップリーグの舞台やスリーライオンズで活躍しているかもしれない。

【動画】ノッツで得点を量産する“ノンリーグハーランド”(ラングスタッフは1点目&2点目)

ノッツ・カウンティのFWラングスタッフ [写真]=Getty Images