プレミアリーグ第13節、チェルシーvsマンチェスター・ユナイテッドが、日本時間22日25:30にスタンフォードブリッジキックオフされる。上位3チームを追走する強豪による、注目のビッグ6同士の一戦だ。

先月半ばにトゥヘル前監督を解任し、前ブライトン指揮官のポッター新監督を招へいした4位のチェルシー(勝ち点20)。新指揮官移行後のこの1カ月では5勝2分けの公式戦7試合と無敗を維持。とりわけ、直近は5試合連続無失点と自慢の堅守に磨きをかけている。ただ、直近のブレントフォード戦では積極的なターンオーバーの影響もあったか、格下相手に決め手を欠き、新体制移行後初めて無得点のゴールレスドロー。公式戦連勝と連続複数得点がいずれも「5」でストップした。

守護神返り咲きとなったGKケパの躍動が際立つ守備の安定感、イングランド指揮官の的確な修正、用兵によって、ここまでの戦いに悲観すべきものは全くないが、これまでの対戦相手は多くの主力を欠いたミランを含め力の劣る対戦相手ということもあり、今回のユナイテッド戦は新生ブルーズにとって試金石の一戦となるはずだ。

一方、5位のユナイテッド(勝ち点19)は、紆余曲折がありながらも徐々にテン・ハグ体制が熟成が進む。直近ではマンチェスター・シティとのダービーで屈辱的な大敗を喫し、前々節のニューカッスル戦も振るわない内容でゴールレスドローと足踏みが続いたが、前節は3位のトッテナム相手に今季ベストパフォーマンスと言える圧巻の内容で2-0の完勝。相手守護神ロリスの驚異的なビッグセーブによってMFフレッジ、MFブルーノ・フェルナンデスの2ゴールにとどまったものの、シュート28本枠内10本とソリッドな守備に加え、攻撃陣が躍動を見せた。

この勝利によってリバプールアーセナルトッテナムと対ビッグ6で見事な戦績を残した赤い悪魔だが、その3試合はいずれもオールド・トラッフォードでのホームゲーム。敵地でのダービーでは惨敗し、今季のサウサンプトン戦で勝利するまで昨季からアウェイでは7連敗を喫しており、極端な内弁慶のチームはこのチェルシー戦に大きな不安を残す。試合前の会見でオランダ指揮官は、「アウェイだろうがホームだろうが、ピッチでは対等だ」とその影響を否定したが、この試合で見せるパフォーマンスが注目されるところだ。

なお、近年はチェルシーリーグテーブルにおいて常に優位な立場にいるが、両者のリーグ戦での直接対決は直近10試合でユナイテッドの3勝6分け1敗と拮抗。とりわけ、直近は4試合連続ドローとなっており、チェルシーは2017年11月の1-0の勝利以降は9戦未勝利が続いている。この戦績を見ればアウェイチーム優位と言えるが、ポッター監督はブライトンを率いた今季開幕戦での4-0の勝利に加え、昨季終盤戦でも2-1と勝利し、対ユナイテッド連勝中。ユナイテッドの攻略法を熟知していると言えるはずだ。

チェルシー
【3-4-2-1】
▽予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.

GK:ケパ
DF:チャロバー、チアゴ・シウバ、クリバリ
MF:ロフタス=チーク、ジョルジーニョ、コバチッチ、チルウェル
FW:スターリングオーバメヤン、マウント

負傷者:DFフォファナリース・ジェームズ、MFカンテ
コロナ陽性者:なし
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱組が引き続き不在となるが、直近のブレントフォード戦で前半途中交代のギャラガーはコンディション不良から回復しており、プレー可能な状態だ。

システムに関してはここまで4バックと3バックを併用しているが、[3-4-2-1]が濃厚だ。スタメンは前節完全休養のチアゴ・シウバ、チルウェルに加え、オーバメヤンの復帰が濃厚だ。

注目は左右のウイングバックと2シャドーの一角のメンバー選考。ウイングバックはロフタス=チークとチルウェルの起用を予想したが、アスピリクエタ、ククレジャ起用も十分にある。シャドースターリング復帰の可能性が高いが、プリシッチ、ハヴァーツがオプションとなる。

マンチェスター・ユナイテッド
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:デ・ヘア
DF:ダロト、ヴァラン、マルティネス、ショー
MF:カゼミロ、フレッジ
MF:アントニーブルーノ・フェルナンデスサンチョ
FW:ラッシュフォード

負傷者:DFマグワイア、ワン=ビサカ、トゥアンゼベ、ブランドンウィリアムズ、MFファン・デ・ベーク、FWマルシャ
コロナ陽性者:なし
出場停止者:なし

出場停止者はいない。だが、直近のトッテナム戦で交代拒否に加え、試合終了前にドレッシングルームに下がる規律違反を犯したクリスティアーノ・ロナウドがクラブ独自の処分で招集外が決定。一方、負傷者に関しては直近のトッテナム戦と顔ぶれに変化はない。

スタメンに関しては攻守両面でハイパフォーマンスを披露したトッテナム戦のスターティングイレブンの継続を予想。ただ、激しい消耗戦から中2日という過密日程ということもあり、2セントラルMFにマクトミネイ、エリクセンのいずれかが入る可能性がある。

★注目選手
チェルシー:MFメイソン・マウント
Getty Images

復調気配漂う中、ビッグマッチを復活の契機に。恩師ランパードと共にダービー・カウンティからレンタルバックした2019-20シーズンから新進気鋭の万能MFとしてブルーズの中盤に君臨する生え抜きMF。トゥヘル、ポッターと指揮官交代以降も大きな信頼を得てインサイドハーフやトップ下、シャドーを主戦場にチームの攻撃を牽引し続ける。

高水準のパフォーマンスを約束する安定感が売りの23歳だが、今季に関してはチーム自体の不安定さ、毎試合のようにメンバーや布陣が変わる影響もあってか、試合によってパフォーマンスに波が見受けられる。その大きな要因はビルドアップ、中盤から前線の構成力の問題による、ゲームメイクの部分の負担増、超過密日程によるコンディションの低下が挙げられる。その中で自身が最も力を発揮できる最後の崩しの部分で精度、パワーを出し切れない印象だ。

それでも、先日のミランとのCL連戦や前々節のアストン・ビラ戦では、らしいプレーも増えてきており、復調気配が漂う。今季チーム2戦目となる対ビッグ6の一戦では、リーグ戦では6戦未勝利の難敵相手にチームを勝利に導くパフォーマンスを披露し、完全復活の契機としたい

マンチェスター・ユナイテッド:MFブルーノ・フェルナンデス
Getty Images

負担軽減で攻撃面での更なる躍動を期待。2020年1月に加入以降、低迷する赤い悪魔救世主のような活躍を続ける28歳のポルトガル代表MFは、ここまで公式戦140試合52ゴール41アシストという圧巻のスタッツを叩き出す。だが、昨シーズンは10ゴール14アシストときっちり数字を残した一方、シーズン後半戦は攻守両面におけるマルチタスクに忙殺されてプレーの質を大きく落とし、加入後初めて自軍ファンからも批判を招く厳しい日々も過ごした。

しかし、テン・ハグ新体制では開幕序盤こそチームと共に苦戦したものの、現在のメインスカッドに落ち着いて以降は、後方からの配球の改善、チーム全体の守備意識向上、エリクセンとのダブル司令塔とより自身の仕事が整理されてきた印象だ。また、ここ最近ではようやくフィットしてきたカゼミロのバランサーとしての存在感、どこか気を遣っていた同胞ロナウドのチーム内での序列低下によって攻撃面での選択肢、自由度が増している。

直近のトッテナム戦では貴重な2点目のゴールはもちろんのこと、今季のプレミアリーグにおける1試合最多となる9つのチャンスクリエイトを記録。チャンスメーカーとしての能力の高さを改めて証明した。

今回のチェルシー戦では守備的なトッテナムに比べて、ボールを握る時間は減る可能性が高いが、引き続き前線からの強度の高いプレスでチームの守備を助けつつ、長短織り交ぜた高精度のパスで堅守攻略に導きたい。

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