
先月27日、安倍晋三元首相の国葬が執り行われた。ドナルド・トランプ元大統領は、国葬に出席はしなかったものの、声明にて安倍氏の功績を称えるとともに改めて追悼の意を表した。
■無事に終わった安倍元総理の国葬
国葬の直前、英国では同月8日に亡くなったエリザベス女王の国葬があったことから、カナダのジャスティン・トルドー首相など一部の要人はキャンセルとなったが、米国のカマラ・ハリス副大統領、フランスのニコラ・サルコジ元大統領、インドのナレンドラ・モディ首相など多くの海外要人が参加した。
これも安倍氏が“世界のアベ”だった証拠と言えよう。国葬反対の意見も依然として根強いが、岸田文雄首相としては政権の命運をかけた行事を何とかくぐり抜けたと言え、安堵していることだろう。
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■「私たちはとても親しい友人となった」
安倍氏について「深い尊敬と哀悼の意を捧げる。自分の国を愛し、自由で安全であるために懸命に戦った」「私たちはとても親しい友人となったが、シンゾーほど平和への情熱を持った人物はいなかった。
世界は本当に素晴らしいリーダーを失った。彼の言葉や考えは決して忘れ去られることはない」と悲しみを抑えきれない様子だ。
■当選後、真っ先に祝福したのは…
トランプ氏がこういった声明を出すのも十分に理解できる。2016年秋にトランプが大統領選に勝利した後、真っ先に会いに来て、祝いのゴルフクラブをプレゼントしたのが安倍氏だった。
その後、トランプ旋風と呼ばれるようにトランプ氏はアメリカファーストを前面に出し、国連を軽視し、欧州との関係は一気に冷え込んだ。
外交の舞台で、トランプ元大統領には友達がいなかった。その中で唯一、トランプ元大統領に手を差し伸ばし、ゴルフ仲間として仲良くしてくれたのが安倍氏である。親交を深め互いに“シンゾー”“トランプ”と呼び合うなど、トランプ氏にとって、安倍氏は唯一の外交的親友だった。
■喪失感の中、再出馬は…
他の国家指導者と違い、トランプ氏にとって安倍氏は特別な存在だった。“シンゾー”を失ったトランプ氏は喪失感でいっぱいなはずのトランプ氏だが、現在のところ2024年のアメリカ次期大統領選への再出馬を否定していない。
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