代替テキスト
スマホひとつで24時間利用可能に(写真:アフロ

紙の通帳の有料化や硬貨入金手数料の創設など、利用者にとって“改悪”が続く銀行だが、10月11日から10万円以下なら無料で送金できる「ことら」が始まった。

「間違いなくお得なサービスです」

そう語るファイナンシャル・プランナーの丸山晴美さんに、ことらについて詳しく聞いてきた。

「ことらは10万円以下限定ですが、他行間での送金手数料無料が最大のメリットです。また、相手の口座番号を知らなくても携帯電話番号で送金でき、24時間どこでも手続きできます」(丸山さん・以下同)

利用にはまず、ことらが対応する銀行アプリをダウンロードする。3メガバンクならBank Pay、横浜銀行ならはまPayなど、取引銀行によってアプリが異なる。

次に、自分の口座情報や携帯電話番号などを登録する。送金先は相手の携帯電話番号かメールアドレスで探し、見つかったら送金額を入力して送金ボタンを押すだけ。スマホに不慣れな人でも簡単だ。

「ただし、送金相手もことら対応の銀行アプリが必要です」

現在ことらが使えるのは20行だけだが、あと37行は参加が決まっていて、来年にはもっと広がる見込みだという。

「子どもや親に仕送りをする人は、ことらを使えば手数料0円。銀行ATMに並ぶ必要もありません」

このほか、会費を集める、食事会などで割り勘をする場合にも便利だ。1円単位で送金できるので小銭が足りなくても、おつりがなくても精算可能。履歴が残るので、誰が払ったかも一目瞭然だ。

■大手5行が母体だから安心して使える

「実はPayPayなどのコード決済アプリでも、個人送金はすでに無料。でも送金後はそのコード決済でしか使えません。ことらなら銀行口座に入金されるので、現金化できるのがポイントです」

とはいえ、ことらはあくまでも個人間送金が対象なので、買い物代金などの支払いには使えない。

「おすすめは、自分の給与振込口座から自分の別口座への預け替えに、ことらを使うことです」

授業料の引き落としなどに、毎月預け替えを行う人は多いだろう。これまではA銀行で出金しB銀行で入金する手間をかけるか、手数料を払って振り込むか。だがことらなら、手間も費用もかからない。

物価高で家計が厳しい今、手数料などのムダ金は払えない。みずほ、三菱UFJ、三井住友、りそな、埼玉りそなの大手5行が株主のことらで、0円送金を始めよう。

10月11日から『ことら送金』に対応する銀行】

みずほ銀行
三井住友銀行
三菱UFJ銀行
りそな銀行
埼玉りそな銀行
足利銀行
常陽銀行
横浜銀行
・山梨中央銀行
・十六銀行
関西みらい銀行
・南都銀行
・百五銀行
みなと銀行
・広島銀行
・山陰合同銀行
十八銀行
福岡銀行
熊本銀行
・佐賀銀行

11月24日から京都銀行、千葉銀行、西日本シティ銀行なども参加