第35回東京国際映画祭(TIFF)が10月24日に開幕。映画祭の開幕を祝福をするレッドカーペットイベントが3年ぶりに復活し、東京ミッドタウン日比谷の日比谷ステップ広場と日比谷仲通りに映画監督や俳優など、豪華な顔ぶれが集結。華やかな装いでカーペットを闊歩した。

【写真を見る】戸田恵梨香、透け感あふれる超ロングドレス姿が美しい!レッドカーペットのフォトギャラリー挙公開

東京国際映画祭は世界中から優れた映画が集まる、アジア最大級の映画の祭典。今年のコンペティション部門には107の国と地域から1695本がエントリー。厳正な審査を経た15本が期間中に上映され、クロージングセレモニーで各賞が決定する。

イベントのトップを飾ったのは、日本公開前の最新作をプレミア上映するガラ・セレクション部門作品で、第157回直木賞を受賞した佐藤正午による同名の純愛小説を実写映画化した『月の満ち欠け』の廣木隆一監督、大泉洋柴咲コウ。大泉は「今日は東京国際映画祭で、なんと我々『月の満ち欠け』がトップバッターで歩かせていただけるということで、大変光栄に思っています」と胸を張り、「コロナもだいぶ落ち着いてきて、今回はたくさんの外国のお客様も来ているようでとても盛り上がるのではないでしょうか。存分に楽しんでいただければ」と呼びかけた。

湊かなえの小説を映画化した『母性』で母娘役を演じた戸田恵梨香永野芽郁も、レッドカーペットを歩いた。戸田は、ゴージャスな超ロングドレスで登場。ふわりとした透け感あふれるドレスの裾も実に美しく、戸田は「本日はこのような映画祭に参加させていただき、光栄です。ありがとうございます」と晴れやかな表情で挨拶。圧倒的な存在感を見せつけた。永野はゴールドの輝くドレスで戸田と笑顔を弾けさせるなど、劇中ではお互いの愛がすれ違う母娘という難役に挑んだ2人が仲のよい姿を見せて観客を喜ばせていた。

コンペティション部門に選出された松永大司監督作『エゴイスト』からは主演の鈴木亮平と、恋人役として共演した宮沢氷魚が出席。鈴木は「思い返せば、3年前の東京国際映画祭で監督から『亮平と一緒にやりたい企画がある』と言われて出来あがったのがこの作品」としみじみ。「宮沢氷魚くんという非常に強力な味方を得て、ここに立てて感無量です。今日は楽しんで行ってください!」と宮沢への信頼感を明かしていた。

今泉力哉監督作『窓辺にて』からは稲垣吾郎、中村ゆり、玉城ティナもお目見え。稲垣は「寒いなかありがとうございます」と微笑み、「今日は国際色豊かな東京国際映画祭ににお招きいただきまして、感激しております」と語り拍手を浴びていた。福永壮志監督作『山女』に出演する、山田杏奈森山未來永瀬正敏も参戦。カラフルな花柄ドレス姿を披露した山田は、「ぜひ楽しんでいただけたら」と映画をアピールしていた。

この1年の日本映画を対象に特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する部門、Nippon Cinema Now部門『ひとりぼっちじゃない』で映画初主演を果たしたKing Gnuの井口理も参加。共演の馬場ふみか、河合優実と並び、会場に手を振った。『わたしのお母さん』で、母との関係にわだかまりを抱える主人公に扮した井上真央は、首元のリボンがキュートなグリーンのベロア調ドレスをセレクト。司会から「動画のカメラも来ています」と案内されると、杉田真一監督とお茶目に動いてみせて会場を笑わせていた。

フェスティバル・アンバサダーを2年連続で務める橋本愛は、襟元やスカートをレースで飾ったクラシカルながら個性的なドレスで大きな笑顔。コンペティション部門の審査委員長ジュリー・テイモアは、「コンニチハ」と日本語で挨拶。「世界はいま分断されている状況にあります。そのなかでお互いの異文化を称え、想像力を発揮しながら、その作品を堪能して楽しんでいけることはすばらしいことだと思っています。映画は、まさしく地上に降りた天使のような役割を担ってくれる。映画は私たちの人生を豊かにしてくれる」と映画の力について、力強くコメントしていた。

ゴージャスな面々が続々と現れたイベントの締めくくりに登場したのは、オープニング作品となる『ラーゲリより愛を込めて』に主演する二宮和也第二次世界大戦終了後、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)にて不当に抑留され捕虜となりながらも、生きることへの希望を捨てなかった山本幡男の壮絶な半生を描く本作。瀬々敬久監督とステージにあがった二宮は、「我々の『ラーゲリより愛を込めて』をオープニング作品に選んでいただきまして、ありがとうございます。光栄に思っています」と感謝しきり。「僕らも映画人の一人として、東京国際映画祭が始まるのを楽しみにしていました。いろいろな作品があると思いますので、いろいろな出会いを楽しんでいただければ」と期待を込めていた。

世界中から様々なジャンルの良質な作品がラインナップし、海外からのゲストの来日も華を添える今年の東京国際映画祭。各国の映画人の思いに直接触れられる貴重な機会でもあるので、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。第35回東京国際映画祭は、10月24日(月)~11月2日(水)まで有楽町、日比谷、銀座エリアを中心に開催。

取材・文/成田おり枝

第35回東京国際映画祭が開幕!