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ワシントン州郊外で、1人の女性が奇跡的な生還を果たした。

UNILADによると、韓国系アメリカ人アン・ヨンスクさんは10月16日午後1時頃、夫のアン・チェギョンに強引に連れていかれた。妻側からの離婚申請で夫婦は別居していたが、この日はチェギョンがヨンスクさんの家の洗濯機を借りて洗濯していたという。

2人は離婚時のお金のことで口論しており、チェギョンは「退職金をお前に渡すくらいなら死んだ方マシだ」と怒鳴っていたと伝えられている。口論はエスカレートし、チェギョンは着替えのため寝室にいたヨンスクさんを襲い、ダクトテープで拘束して車に乗せ、森へと連れ去った。Daily Beastによると、チェギョンは退役軍人で、たびたびヨンスクさんを殺すと脅していたそうだ。

ヨンスクさんは車に乗せられる前、背中側で縛られた腕にはめたApple Watchで911に通報。この時のことをオペレーターは警官に「猿ぐつわをされているかのように声がくぐもっていて何を言っているかわからなかった。叫び声がしたかと思ったら急に静かになり、何も聞こえなくなった」と話していたという。

当局は発信元を辿り、通報があった住所を特定したが、既に誰もいなかった。過去にDVがあった家として記録されていたため、すぐに捜査網が敷かれた。

その頃、ヨンスクさんは森の中でチェギョンに胸を刺され、穴に落とされて土をかけられていた。穴の中で、ヨンスクさんは土が顔を覆わないよう体をよじらせながら、夫が自分の上を歩く音を聞いていたという。頼みの綱だったApple Watchは、この時には壊されてしまっていた。

日が落ち、森が闇に包まれた頃、ヨンスクさんは自力で穴から這い出すことができた。見知らぬ家に助けを求め、警察が到着するやいなや、「夫に殺されそうになった! 助けて! あいつはきっとまだ森の中にいるのよ!」と彼女は叫んだと、前出のDaily Beastは伝えている。ヨンスクさんの首や四肢にはダクトテープが巻かれたままだった。

17日夜、チェギョンは警察に逮捕された。保釈されれば自分を殺しに来る、とヨンスクさんが裁判所に訴え出たため、チェギョンは拘留されたままだと前出のUNILADは報じている。