トップガン マーヴェリック』に出てきたP-51トム・クルーズの自家用とか。

イギリスの要求により急ピッチで開発

今から82年前の1940(昭和15)年10月26日、アメリカ空軍の戦闘機P-51」が初飛行しました。

第2次世界大戦アメリカ軍の戦果に貢献し、「傑作機」の呼び声が高いこの機体。1万6000機以上が生産され、最近では映画『トップガン マーヴェリック』でトム・クルーズが乗り回していたことでも有名です。

開発がスタートしたのは、すでに大戦が勃発したあとの1940(昭和15)年3月。そこからわずか半年で試作機が完成し、初飛行にこぎつけたことになります。突貫作業のため、初期型は操縦性や最大高度などの問題を抱えていました。しかしそこから幾度となく改良が加えられ、持ち前のポテンシャルを発揮するようになったといえるでしょう。

戦闘機としての機動性と快速性の両方で優れており、爆撃機の護衛だけでなく対地・対戦闘機の攻撃もできる汎用性も兼ね備えていました。さらに整備しやすく、コストも比較的低いため、運用性にも秀でており、まさに「有能な機体」として大量生産されたのです。

対日戦線にも数多く投入され、当初は中国大陸での戦いに投入されたものの野、のちに爆撃機B-29の護衛などで日本本土にも姿を見せるようになりました。

大戦後は、ジェットエンジン搭載の新型機が登場したことなどにより、P-51マスタング」は順次引退します。ただ、中古機として民間市場に放出されたことで、持ち前の高性能を活かして航空レースなどで「第二の人生」を送りました。オーナーが多いため、誕生から80年以上が経過した現在も、部品の新造が続けられています。

アメリカのノースアメリカン社製の戦闘機「P-51マスタング」(画像:アメリカ空軍)。