デヴィッド・O・ラッセル監督7年ぶりの最新作『アムステルダム』で主人公を演じるオスカー俳優クリスチャン・ベール。激やせや体重増、抜歯など、キャラクターを演じ切るため常人には考えられない役作りを行うことで知られるが、本作でも、身長を5cm縮めるという驚きの肉体作りを行い、撮影に挑んでいた。

【写真】クリスチャン・ベール、強力なコルセットで身長を無理矢理5cm縮めて熱演

 クリスチャン・ベールと言えば、ハリウッドでも随一の徹底した肉体改造や役作りを行うことで有名だ。映画『マシニスト』では、やせ細った主人公を演じるため183cmの体格にもかかわらず54kgまで減量し、さらに10kg減らそうとするベールに制作陣がストップをかけるほど役作りに没頭。その翌年に公開された『バットマン ビギンズ』に向け、数ヵ月で45kgの増量を行い筋肉マッチョボディを手に入れるなど、常にぶっ飛んだ役作りを行ってきた俳優である。

 そんな彼の役作りは本作でも健在。主人公の医師バート役を演じるため、183cmの長身をバックブレースと呼ばれる強力なコルセットを使い無理やり約5cm低くし、178cmで演じたという。ベールが演じるのは、楽観的で何があっても友を大事にする熱い思いを持った主人公の医師バートで、戦地で背中に重度のけがを負ってしまう。そんなバートの戦争に行く前と行った後の体格の変化をリアルに表現するため、ベールはバックブレースを使い、わざと猫背の姿勢を保ちながらずっと演技していたのだ。

 クリスチャンと3度目のタッグとなるラッセル監督は「ベールの役作りはとても独特なやり方なんだ。本作のベールはコルセットを使って身長を約5センチ低くして演じていたよ。劇中で過去のシーンを見ると彼の背が高いままだから面白いんだ。結果として、彼以外誰も演じることができない特別でユニークなキャラクターを見ることが出来るよ」と語っている。

 そんなクリスチャンは本作に製作総指揮としても携わり、監督とともに5年以上の時間をかけてバートのキャラクターを作り上げた。彼は撮影を終えることを心から惜しんでいたようで「本作はこれまでのどの作品よりも、そして、おそらく今後参加するどの作品よりも大きな満足感を得ることができた。この役ほどの時間を費やした作品は他にないね。撮影がクランクアップするときには、親友と別れるような感覚でとても恋しかったよ」と熱い思いを明かしている。

 映画『アムステルダム』は、10月28日より全国公開。

映画『アムステルダム』クリスチャン・ベール(左)、強力なコルセットで身長を無理矢理5cm縮めて熱演 (C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.