コンクール本選でバッハの名作『ゴルトベルク変奏曲』を演奏するという、まずはその度胸に感服する。これはまさに、「本選では自由に選択したプログラムの演奏を審査」という「野島稔・よこすかピアノコンクール」の理念ならではの賜物なのだろう。

今年第9回目を迎えた同コンクールの優勝者 本堂竣哉は、5歳のときにグレン・グールドの演奏するJ.S.バッハゴルトベルク変奏曲』に衝撃を受け、以来バッハの音楽に魅了され続けているというのだから筋金入りだ。

「幼少期から親しく過ごしてきた曲を、今回このような素晴らしい機会に一歩踏み込んで触れ合い、たくさんの方々と体験できることにこの上ない喜びを感じます」という優勝コメントからは、バッハへの愛が溢れ出る。今年は折しも、グレン・グールドの生誕90年&没後40年のメモリアルイヤー。その年に誕生したニューヒーロー本堂竣哉による『ゴルトベルク変奏曲』とはいかなるものか。心して聴いてみたい。

●第9回野島 稔・よこすかピアノコンクール優勝記念公演
本堂竣哉ピアノ・リサイタル

2022年11月23日(水・祝)14:00開演(13:15開場)
よこすか芸術劇場
全席指定:2,000円
https://www.yokosuka-arts.or.jp/performance/detail/?id=2338