ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年10月第4週号を発行しました。今週号では、機械設備業界、航空宇宙業界、水晶デバイスのアジア最大手の台湾晶技と車両業界の動向を紹介します。

<最新号目次>
  • 2022年第3四半期台湾電子・半導体生産用機械設備製造業の輸出入概況と主要メーカーの動向
  • 航空需要回復 台湾主要メーカーの動向
  • 水晶デバイスのアジア最大手 台湾晶技(TXC Corp.)
  • 2022年CPTPPの台湾自動車産業に対する影響分析
<2022年CPTPPの台湾自動車産業に対する影響分析>
 台湾は2021年9月、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)への加盟を申請した。加盟が認められれば、台湾自動車産業にプラス、マイナス両方の影響がもたらされる見通しだ。
 税関統計によると、21年の台湾の完成車輸入額のうち、CPTPP加盟国からの輸入額は675億台湾元で全体の36%を占めた。CPTPP加盟国への完成車輸出額は2億元で全体の1.3%を占めた。CPTPP加盟国からの自動車部品輸入額は315億元で全体の28%を占め、CPTPP加盟国への自動車部品輸出額は347億元で全体の16%を占めた。

完成車メーカーにはプラス・マイナス両方の影響
 13~21年の台湾の完成車輸入台数のうち、CPTPP加盟国からの割合が40~50%に上り、21年にはCPTPP加盟国から約9万4000台の完成車が輸入された。このうち、90%以上が日本からの輸入だった。台湾の完成車メーカーは生産技術や品質面で高い水準を誇るものの、台湾がCPTPPに加盟すれば、価格競争力を増した輸入車の脅威にさらされることになる。
 このため、政府は業界各社との協議の末、▽輸入完成車に対する関税引き下げは段階的なものにする、▽台湾の電気自動車(EV)産業発展を促し、EV完成車の新興市場への輸出を支援することなどにより、完成車メーカーへの影響を抑える方針だ。
 一方、台湾がCPTPPに加盟すれば、台湾の完成車メーカーは輸出拡大が期待できる。自動車産業の情報サイト、マークラインズの統計資料によると、CPTPP加盟国における13~21年の新車の年間平均販売台数合計は1000万台以上で、このうち合計で過半を占める▽カナダ、▽メキシコ、▽ペルー、▽チリ、▽オーストラリア、▽ベトナム、▽マレーシアでは輸入車に対する関税率がゼロでない。このため、中東への完成車輸出で実績があり、コスト競争力や品質力も高い国瑞汽車などの完成車メーカーは、台湾のCPTPP加盟により、大きな需要が見込める。

自動車部品の輸入コスト低下・輸出拡大へ
 税関統計によると、13~21年における台湾の自動車部品の年間輸入額のうち、CPTPP加盟国からの割合は平均31%で、このうち90%以上、約256億元が日本からの輸入だった。台湾の完成車メーカーの多くは日本の自動車メーカーと技術提携し、日本から重要部品を輸入して台湾で組み立てる生産モデルを採用しているためだ。台湾のCPTPP加盟が認められ、日本からの重要部品の輸入コストが下がれば、台湾の完成車メーカーの価格競争力が高まることになる。
 一方、13~21年における台湾の自動車部品の年間輸出額のうち、CPTPP加盟国向けの割合は平均16%で、このうち、自動車部品の関税がゼロでない▽カナダ、▽メキシコ、▽チリ、▽オーストラリア、▽ベトナム、▽マレーシア向けが57%、約195億元を占める。国際自動車工業連合会(OICA)によると、▽カナダ、▽メキシコ、▽マレーシアの15年時点の自動車保有台数は計7300万台以上で、台湾がCPTPPに加盟すれば、アフターマーケット(AM)向け部品の大きな需要が見込める。また、マークラインズの統計によると、▽カナダ、▽メキシコ、▽マレーシアの21年の完成車生産台数は計450万台以上で、台湾がCPTPPに加盟すれば、同3国への新車向け部品の輸出拡大も期待できる。(続く)
ワイズ機械業界ジャーナル
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所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
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