東京国立近代美術館では、2022年11月1日(火)より、『大竹伸朗展』を開催する。2006年に東京都現代美術館で開催された『全景 1955-2006』以来、16年ぶりとなる大規模な回顧展だ。

1955年、東京に生まれ、現在は愛媛県の宇和島を拠点に活動している大竹伸朗は、現代日本を代表するアーティスト。1980年代初めにデビューして以来、絵画、版画、素描、彫刻、映像、絵本、音、エッセイ、インスタレーション、巨大建造物と、あらゆる創作物を手掛け、ドイツ、カッセルで開催されるドクメンタ(2012年)やヴェネチア・ヴィエンナーレ(2013年)といった国際展に参加するなど、現代美術のトップランナーとして走り続けてきた。

そんな彼の半世紀近くに及ぶ創作活動を一挙公開する同展では、「自/他」「記憶」「時間」といった7つのテーマで、約500点の作品を紹介する。主な出品作品は、2019年以降大竹が取り組む「残景」シリーズの最新作で初公開となる《残景 0》(2022年)や、2012年のドクメンタで発表した小屋型のインスタレーション《モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像》、そして大竹伸朗作品を代表する「宇和島駅」のネオンサインなど。この《宇和島駅》は、同展会期中、東京国立近代美術館のテラスで輝き続けるので館外からも注目を。そのほか、小さな手製本から、「音」を発する作品まで、大竹伸朗の強烈な個性とエネルギーに埋め尽くされた空間に、鑑賞者は圧倒されること間違いない。

また大竹伸朗といえば、スナックの看板をモチーフにした《ニューシャネル》(1998年)に代表される独得な文字が特徴だが、この「大竹文字」をデザインしたTシャツなど、同展のために製作された展覧会オリジナルグッズも見逃せない。

《宇和島駅》 1997年 Photo:岡野圭
《ダブ平&ニューシャネル1999年 公益財団法人 福武財団
《モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像》 2012年 Commissioned by dOCUMENTA(13) Photo:山本真人
スクラップブック #71/宇和島》 2018–21年 Photo:岡野圭
©︎Shinro Ohtake, photo by Shoko

【開催概要】
『大竹伸朗展』
会期:2022年11月1日(火)~2023年2月5日(日)
会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー、2F ギャラリー4
時間:10:00~17:00、金土は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(1月2日1月9日は開館)、年末年始(12月28日1月1日)、1月10 日(火)
料金:一般1,500円、大学1,000円
展覧会公式サイト:https://www.takeninagawa.com/ohtakeshinroten/

《残景 0》 2022年 Photo:岡野圭