伊藤園11月14日、障がい者が生産工程に携わった食品の農林規格“ノウフクJAS”を取得した茶葉100%使用のリーフ製品「ふんわり香る静岡茶」(80g、2100円税抜)を販売開始する。伊藤園の直営店舗(約110店)で取り扱う。

「ノウフク」とは、ノウ(自然、農林水産業)とフク(人、福祉)の連携のこと。「農福連携」は、障がい者が農林水産業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参加を促す取り組み。“ノウフクJAS”は「障害者が生産行程に携わった食品の農林規格」を正式名称として2019年に制定された日本農林規格で、「みんなが地域の一員となり、一緒になって地域を作っていく」取り組みを評価することを主旨とする。

「ふんわり香る静岡茶」は、静岡県足久保産一番茶を100%使用した浅蒸し茶。爽やかな香りと濃厚な旨みが特徴となっている。ノウフクJAS取得の茶葉は、足久保ティーワークス茶農業協同組合(静岡市葵区)が生産し、伊藤園が全量を買い取って販売する。

伊藤園は昨年から足久保ティーワークス茶農業協同組合の茶葉を購入して「ふんわり香る静岡茶」を販売していたが、同組合が全国で初めて煎茶でノウフクJASを取得したことから、新たに商品パッケージにノウフクJASのシールを貼って訴求する。

足久保ティーワークス茶農業協同組合での作業の様子
足久保ティーワークス茶農業協同組合での作業の様子

伊藤園直営店販売推進部の田中部長は、「ふんわり香る静岡茶」の販売にあたって次のように語った。「静岡県内の原料を厳選した浅蒸しの細くよれた艶のある茶葉となっている。店舗の従業員には勉強会を開き、味覚特徴やノウフクJASについて学んでもらった。通年での販売予定で、息の長い活動にしていきたい」

伊藤園が「農福連携」に参画した背景には、2020年11月から官民連携で進める「農福連携等応援コンソーシアム」の賛助会員となったことや、今年6月に制定した中長期経営計画の重点課題として、“持続可能な国内農業への貢献”と“多様な人財と全員活躍の推進”を掲げたことが挙げられる。

伊藤園「ふんわり香る静岡茶」