チバテレで放送中のバラエティー番組「AKB48チーム8のKANTO白書 バッチこーい!」(毎月2回日曜夜11:30-0:00)が、放送開始5周年を迎えた。2017年10月8日にスタートした、AKB48 チーム8 関東メンバーによる冠番組で、千葉県代表・吉川七瀬とドランクドラゴン鈴木拓がMCを務め、メンバーたちがさまざまな“バッチバチ”企画に挑戦。目覚ましいバラエティー力の向上を見せるメンバーと鈴木が力を合わせて、他にはない番組を作り上げている。

【写真】岡部麟&高橋彩音がハグ…番組ではメンバーたちが仲の良さも見せている

そんな中、「WEBザテレビジョン」では二人のメンバーに注目。番組開始当初からメンバーを引っ張り、時には背中を押して番組を盛り上げてきた“大黒柱”的存在の岡部麟、ここ最近は冴えわたるコメント力で番組の流れを変えるなど鈴木からの評価も高く、収録にメンバーの半分しかいないという“非常事態”では人一倍の活躍を見せた“救世主”高橋彩音。今回は放送5年を記念して、この二人のツーショットインタビューを実施。番組への思いや収録で心掛けていることなどを語ってもらった。

■岡部麟、バラエティーでは「スピードが大事」

――「バッチこーい!」の放送が丸5年となりました。

岡部:今、AKB48の中でこんなに長く続いている番組って、これだけじゃないですかね。他にもグループでやっていた番組とかもあったけど、それも一度終わりを迎えたりしているので。

高橋:続いているのは「バッチこーい!」だけで。

岡部:歴史が深いのは「バッチこーい!」のみなので、誇りを感じています。

――この5年で皆さんのバラエティー力の向上には目覚しいものがあります。この番組で培ったものが他の番組で役に立ったみたいなことはありますか?

岡部:スピードは大事だなって思いました。(話を)振られたりとか、「誰かやる?」って拓さんが伺っている時に、間が空いちゃうと変に期待値も上がっちゃうし、その間はどんどんスピード感を悪くしていくから、そんなに面白いことをやらなくてもいいから、早くいった方がそのタイミングが面白かったりとか、とりあえず早くやることが全て良いことにつながるなというのはやっていて思いました。

■メンバーの人数が少ないから「積極的な発言を」

――「バッチこーい!」は他のAKB48の番組に比べるとメンバーの人数が少ないから、積極的な発言はより大事かもしれないですね。

岡部:そうですね。自分が行こうと思ったら必ず行けるタイミングになっているので。多人数は出ていくのは難しいので人数感はありがたいですね。

高橋:確かに。あと、アドリブ力というか、急に振られても何か返さなきゃみたいな、そういうメンタルも鍛えられました。舞台でアドリブのシーンとか、急に「コメントをお願いします」みたいな時とかも、ちゃんと言わなきゃいけないことをちゃんとすぐ言えるようになったなとは思います。

■岡部麟、番組を盛り上げるために「面白くなくてもいいから声を出す」

――5年前から、岡部さんは率先して企画に挑戦したり、人一倍大きなリアクションをしたり、鈴木さんやスタッフにかみついたり…メンバーを引っ張り、番組を盛り上げている“大黒柱”のような存在かなと思うんですが、収録で心掛けていることはありますか?

岡部:面白くなくてもいいから、とりあえず誰かが声を出してないと番組的に盛り上がっていないというか。もちろん、スタッフさんとかも笑ってくださるけど、メンバーの誰かが声に出していないと寂しいなって。他の番組に出させてもらった時も、やっぱりそういう役割は誰かがやっているので、面白い人にならなくてもいいから、そういうところでできる人になりたいなとは思っています。

――でも、背負っている感じはなく、岡部さん自身がすごく楽しんでいるのは伝わってきています。面白すぎて笑い崩れたりする場面は、個人的にはすごく好きです。

高橋:うん!

岡部:左伴彩佳が大好きで、私のツボなんです…(笑)。

■最初はカメラの前で実力を発揮できなかった高橋彩音

――岡部さんが出演できなかった7月に行われた収録ですが、本田仁美さん、小栗有以さん、小田えりなさんも出演できず、レギュラーメンバーが高橋さん、吉川さん、清水麻璃亜さん、左伴さんだけという非常事態でした。

岡部:それ、Twitterで見て知って「え?」って。

高橋:そうだよ。“KANTO白書”じゃなくなっちゃったの。(助っ人メンバー3人が来て)“全国白書”になっちゃった。

岡部:こんな少ない時とかあるんだってビックリしました。

――その時の高橋さんが大活躍で。4本撮りの全ての回で高橋さんの活躍ぶりが光っていました。その収録に限らず、ここ最近の高橋さんは積極的にいいコメントを出していますね。

岡部:いや、彩音は最初からですよ。「バッチこーい!」が始まった時からではなく、出会った時からズバ抜けていたけど、持っているけど(カメラの前で)出さないっていう印象でした。

高橋:楽屋とかだとさ、なんか安心しているから(笑)。やっぱり番組の最初の頃は緊張していて…。

岡部:そうなの? 彩音に緊張とかあるの?

高橋:あるよ(笑)。その緊張とかも顔に出なくて、いろんなものが出てこないから…。でも、だんだん慣れてきたというか、空気感も分かってきて、自分の出し方がちょっと分かってきたなというのはありました。

■“非常事態”で見せた活躍ぶり…鈴木拓の「彩音ちゃん」が高橋彩音を変えた

――鈴木さんに「彩音ちゃん」と呼ばれるようになったとか、“インテリ”というキャラクターがついたりとか、番組内で変化があったのも大きいのかもしれませんね。

高橋:そうですね。でも、関東メンバーは私のことを分かってくれているから発言しやすいというのもありますし、拓さんが「彩音ちゃん」って呼んでくれて(笑)、それは本当にすごくうれしかったので、そこからちょっと自分に自信じゃないですけど、「考えずに言ってみよう」という気持ちで毎回できていたので、思ったことを言えるようになりました。

いつもは、麟ちゃんとかひぃちゃん(本田)がすぐに言ってくれるじゃないですか。拓さんの“あれ”に対して。

岡部:あれに? あれとは(笑)。

高橋:ツッコミ?とかに対して言ってくれるんですけど、前回の4人しかいなかった収録は麟ちゃんもひぃちゃんもいない、「ヤバい!」ってなって。「何とかしなきゃ!」って思ったんですよね。他のエリアの子(坂口渚沙、服部有菜、吉田華恋)が来てくれたけど、私は年上だから…たぶん(普段の収録の)3回分くらいの声量で(頑張りました)。

岡部:ははは(笑)。見たい!

■高橋彩音、悔しさのあまり涙を流したことも

――でも、本当に高橋さんがいて良かったなと思うぐらいの活躍でした。

高橋:本当ですか? それなら良かったです。

岡部:拓ちゃんの彩音に対する信頼度はとても高いと思う。

高橋:本当? なんか、いい取材ですね~(笑)。

――以前、番組の中の企画で、高橋さんが変顔をしなきゃいけないのにできなくて、悔しさのあまり泣いてしまったことがありましたよね。

岡部:かわいかったよね~。私も鮮明に覚えているよ。

高橋:はずっ!(笑)

――あの時のことを、鈴木さんが「ちゃんと本気で番組に向き合ってくれている」みたいなことをお話されていたことがありました。

高橋:えぇ、そうなんだ。ありがたい。

――最近の収録では、躊躇なく思い切った発言ができるようになりましたね。

高橋:やっぱり“恥”はだんだん捨ててきていると思いますね(笑)。でも、自分で恥ずかしいと思っているよりは、辱めを受けにいった方が盛り上がるみたいなのを5年でちょっと分かったというか、そういうのが大事なんだなというのを感じました。

■岡部麟、つらかった企画も「今なら面白くできるかも」

――5年間を振り返っていただいて、何か印象深い企画はありますか?

岡部:最初の頃の企画で「メンバーの中で8番目は?」みたいな企画は、もしかしたら今やったらめちゃめちゃ面白くできるかもしれないけど、最初は本当に“ただ傷つき合うだけ”になっちゃっていたから。あれ、ちょっと空気悪かったよね(笑)。

高橋:うん。本気にしちゃっていたし、自分のことしか考えられていなかったから。

岡部:どうやったら面白くなるとか、そういうやり取りの演出とか、面白くするためにはっていうことが分かってきた今だからこそ、もう一回やりたい。

■お客さんの目を気にしていたことも

――当時のディレクターに話を聞いた時、「メンバーが嫌がることは本当に盛り上がらない」って反省していました。

二人:(笑)。

岡部:今は何が来ても大丈夫な気がする。

高橋:そう。8位とか言われても何とも思わない。

岡部:逆に“おいしい”って思う人が増えたと思います。あの頃は(スタジオに)お客さんがいたから、「失敗できない」「そう思われたら嫌だ」っていうのが一番にあって。いないのは寂しいけど、今は逆に強みかもしれないですね。

高橋:対決企画だと勝敗は絶対につけなきゃいけないじゃないですか。その勝敗も面白い方を勝たせたいというね。「どっちが勝ったら(番組的に)面白いんだろう?」って考えるようになっちゃった(笑)。昔は純粋に勝負をしていたんですけど。

岡部:分かる分かる。「これどっち?」「どっちが面白い?」ってね(笑)。

高橋:どっちにしたら面白いんだろうみたいに考える…大人になりました(笑)。もちろん、勝負をしにいきますけど。

■高橋彩音「ずっと愛してくれてありがとうございます」

――では、最後に読者にメッセージをお願いします。

高橋:この「バッチこーい!」を見ている方々も、たぶん本当にアットホームな気持ちで見えていると思うんですよ。何か平和な、のほほんとした、そういうメンバーの素も見られるし、劇場公演とかでは出ない表情とかも出ると思うから、そういうのをこれからも楽しみにしてくれたらいいなと思います。そして、5年も見てくださっている方もいると思うので、ずっと愛してくれてありがとうございます。本当に至らぬところもあったと思いますが。

岡部:真面目…(笑)。

高橋:何か変な格好をさせられたり、変な企画もたくさんしましたけど、楽しくやっているので、これからも好きでいてください。

岡部:毎回スタッフさんが企画をすごく練って面白い企画を生んでくれて、拓さんも頑張ってくださって良い番組が作れているので、これがチバテレだけで放送されているというのはとてももったいないことだと思うので、ぜひこの「WEBザテレビジョン」を読んでくださっている方は、お友達が住んでいる所のテレビ局に「チバテレで放送されている『バッチこーい!』が見たいんだ! 放送してくれ」と掛け合ってくれたらうれしいです。

■“2022年の最も美しい顔100人”岡部麟「いじってるじゃん(笑)」

――「2022年の最も美しい顔100人」にノミネートされた岡部さんが出演しているというのは大きいですよね。

高橋:そうです、100人ですから。美しい顔100人ですから(笑)。

岡部:二人でいじってるじゃん(笑)。それ本気で褒めてくれた人、一人もいないのよ。絶対にみんないじっているような言い方するよね。

高橋:いや、でもすごすぎて、いまだに信じられない。

岡部:私も気付いたらノミネートされていたってだけなので…恥ずかしいです。だから、謙虚さを出そうと必死なんです。だから…掘り返さないで。恥ずかしいから(笑)。

※高橋彩音の高は正しくははしご高

AKB48チーム8の岡部麟と高橋彩音にインタビュー/撮影:大野代樹