昨年に行われたコパ・アメリカで11大会ぶり15度目の優勝を果たしたアルゼンチン代表だが、その快挙達成にはキャプテンを務めるFWリオネル・メッシのエモーショナルなスピーチが一役買っていたようだ。
世界屈指の強豪国と知られるアルゼンチンだが、最後にタイトルを獲得したのは1993年のコパ・アメリカまで遡る。以降はコパ・アメリカやワールドカップで決勝進出を果たす機会はあったものの、国際大会の決勝戦で7試合連続敗退という勝負強さを欠いてきた。
そのため、永遠の宿敵ブラジル代表の聖地であるマラカナン・スタジアムでの決勝では再び敗退という可能性も危惧されたが、MFアンヘル・ディ・マリアの値千金の決勝点を守り抜いたアルゼンチンが1-0のスコアで見事に悲願のタイトル獲得を成し遂げた。
『Netflix』はこの期間にアルゼンチンに密着し、『Sean eternos: Campeones de America』というドキュメンタリー番組を制作。そして、今回公開された予告編では決勝戦の直前のドレッシングルームにおいて、キャプテンのメッシがチームを鼓舞するエモーショナルなスピーチの様子が映されていた。
そのスピーチでは新型コロナウイルス感染拡大が続いていた当時の厳しい状況を踏まえ、家族や愛する母国のために一丸となって戦うという、通算7度のバロンドール受賞者からの心揺さぶる言葉があった。
「家族に会えずに45日が経った」
「僕らには目標があり、それを達成するための小さな一歩が近づいている」
「みんな分かっているか? “偶然”なんてものはないんだ。このトロフィーはアルゼンチンでプレーされるはずのものだったけど、神様がここに持ってきてくれたんだ(当初アルゼンチン開催もコロナ影響で断念)」
「神はマラカナンでこれを掲げることができるように、そしてみんなにとってより美しくなるように、ここに持ってきてくれたんだ」
「だから、これを家に持ち帰ため、自信を持って落ち着いて戦おう」
このエモーショナルな声掛けによってチームを見事に鼓舞したメッシは、長らく待ち続けたアルゼンチンのフル代表での初タイトルを獲得するに至った。
そして、自身最後の位置づけとなるカタール・ワールドカップでは再びチームを鼓舞し、1986年以来のトロフィーを掲げ有終の美を飾ることを目指す。
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