ヤマトホールディングス(東証プライム)傘下のヤマト運輸が展開する「クロネコ見守りサービス(ハローライト訪問プラン)」の契約者数は、既に2000件を超える。

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 ハローライト訪問プランとはこんな枠組み。ハローライト(2018年にハローライト社が開発。外部との通信可能な世界初のIoT電球)が設置された家屋等で異常が検知された場合、あらかじめ登録された家族・親戚等(訪問依頼者)に異常を通知するメールが配信。同時にヤマト運輸ネコサポサービスセンターにもメールが届く。

 「異常」はハローライトが設置された家屋等で午前9時から24時間、その点灯・消灯が確認できない状態を指す。通知を受けたネコサポサービスセンターでは、訪問依頼者が設置先の本人と連絡が取れない、訪問できない場合は代理訪問を受託。当該エリアのヤマト運輸の拠点に「代理訪問」を指示。スタッフが設置先に訪問し対応に当たる。

 ヤマト運輸では「クロネコ見守りサービス:ハローライト訪問プラン」開始の背景をこう説明する。

 「高齢化社会に伴い、独居高齢者の増加や地域コミュニティの希薄化が進み、高齢者の孤立が社会課題となっている。こうした状況にヤマトグループの経営資源である全国のネットワーク:約3500カ所の営業拠点を活かし、地域の人が安心に暮らせるようにというのがこのサービスの発端。2020年6月から東京都の一部エリアで実証試験を行い有用性が確認でき、他の自治体からの導入の要望が多く寄せられたことから21年2月に全国的にサービス提供を開始した」。

 現場を訪問したスタッフはまずインターフォンやノック、電話で外部から確認を行う。反応が認められない場合は、訪問依頼者に報告。指示があれば、救急車などの派遣を依頼することも可能。

 サービスの申し込みは、親と離れて暮らす40歳代から60歳代前半の子供世代が中心。自治体の高齢者見守り事業として採用されるケースも多い。利用料が税込み月額1078円という点も魅力。入居率の改善に注力する不動産会社からの問い合わせなども増えている。

 ヤマト運輸では今後について、「クロネコ見守りサービスに、ハローライト訪問プラン以外のサービスプランも検討していく」としている。

 独居高齢者が約700万人とされる時代、注目に値するサービスと言える。「高齢者対応」が必須な自治体も、活用すべきシステムと言えよう。

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