少年・落ち込む・泣く・絶望

ストレスに苦しみ、生きる気力を失ってしまった10代の少年。「大事な母親を悲しませたくはない」と思い悩みながらも結局は自殺していたことを、『The Daily Star』など海外メディアが伝えた。


■コロナ禍で変わった生活

イギリスで暮らしていたヘンリー・タッカーくん(14)は、繊細でとても優しい少年だった。自閉症と拒食症を抱えてはいたが、学校では勉強に真剣に取り組み、目標を次々と達成。両親もヘンリーくんを愛し、大切に育てていた。

しかし新型コロナウイルスの感染が拡大した頃から、専門家による精神的サポートは手薄に。拒食症の治療を受けるため病院にも通ったが、意思の疎通が難しいヘンリーくんにとってはつらい経験でしかなかった。


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■母親に送った最後のメール

コロナ禍で十分なサポートが得られず、通院も苦痛に。ストレスを溜め込んだヘンリーくんは不安定になり、日記には「生きていく勇気がなくなった」「お願い、どうか悲しまないで。ママのことを愛しているからね」などと書いていた。

その後に死ぬ覚悟を決めたヘンリーくんは、遺書を書いた。午後9時に母親ケイトさんに届くようメールの送信時間を設定し、自室ドアの鍵をかけた上で自殺したという。

■蘇生を試みたが最悪な結果に

ほどなくしてメールを受信・確認したケイトさんが慌てて部屋に行き、ドアをこじ開けてヘンリーくんを発見。慌てて心配蘇生を試み救おうとしたが、すでに手遅れだった。

ケイトさんはこのほど死因審問に出席し、ヘンリーくんと暮らした年月を回顧。「(不調になる前の息子は)とても幸せだったのです」と話し、コロナ禍における通院がトラウマになった可能性も示唆した。


■父親の悲しみも深く…

ヘンリーくんの父親グレアムさんは、「息子は僕の誇りでした」「永遠に愛し、恋しく思うことでしょう」と発言。またこれを機に、病院ではなく自宅でケアが受けられるケースが増えることに期待するとも述べた。

とりわけ昨年は、小・中学生、そして高校生の自殺増加が日本でも問題になった。「生きるのがつらい」と感じている人は、「自殺 相談」とネット検索するといくつもの相談窓口が見つかるので、まずは誰かに相談してみていただきたい。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

「悲しまないで」と母親に書き残し少年が自殺 コロナ禍の通院が苦だった可能性も