J1参入プレーオフ2回戦が6日に行われ、ロアッソ熊本とモンテディオ山形が対戦した。
今シーズンの明治安田生命J2リーグを4位で終えた熊本。11月30日に行われたJ1参入プレーオフ1回戦では、大分トリニータと2－2の引き分けに終わったものの、レギュレーションにより2回戦進出を決めた。一方、J2リーグを6位で終えた山形はプレーオフ一回戦でファジアーノ岡山に3－0で快勝。下剋上で2回戦に勝ち進んできた。なお、”年間順位の優位性”を確保するため、90分間で勝敗が決しなかった場合は、年間順位で上位の熊本が決定戦にコマを進めることとなる。
勝利が2回戦突破の絶対条件となる山形。後方からのビルドアップを試みる熊本に対し、序盤からハイプレスを仕掛けていく。6分、右CKのこぼれ球を拾った加藤大樹がボックス手前中央で左足を振り抜く。強烈なシュートは枠を捉えたが、熊本のGK佐藤優也の好セーブに阻まれた。
対する熊本は12分、前線からのハイプレスで山形のパスミスを誘うと、ボールをキープした平川怜がボックス手前から右足を振り抜く。放たれたシュートは山形のGK後藤雅明の好セーブに阻まれたが、ボールはそのままタッチラインを割り、右CKを獲得。キッカーの杉山直宏が左足でクロスを送ると、中央でイヨハ理ヘンリーが頭で合わせゴールネットを揺らした。早い時間帯で熊本が先制に成功する。
先制を許した山形もすぐに反撃。敵陣中央でボールをキープした南秀仁がボックス内の半田陸にクサビのボールを供給。半田がこれを後方に落とすと、走り込んできた山田康太がダイレクトでゴール左下隅に蹴り込み、山形があっという間に同点に追いついた。
試合を振り出しに戻した山形は、その後も前線からのハイプレスと細かいパス交換で熊本を押し込み、試合を優位に進めていく。24分、敵陣でボールをカットした南が中央の山田にパス。山田が熊本DFの股を抜くスルーパスをボックス内に送ると、抜け出した南が距離を詰めてきたGK佐藤の頭上を越すループシュートでゴールネットを揺らした。山形が同点弾からわずか7分で勝ち越しに成功する。
山形は丁寧かつ細かいパス交換で熊本を左右に揺さぶり、チャンスをうかがっていく。36分、前線でボールを引き出したディサロ燦シルヴァーノがボックス内右にスルーパスを供給。抜け出した半田が深い位置から中央に折り返すと、ボールをキープした山田が反転から最後は左足でシュートを放つ。しかし、熊本DFの必死の守りに遭い、惜しくも追加点とはならなかった。
前半アディショナルタイム、熊本は右サイドの敵陣深くでFKを獲得。杉山が意表を突いて左足を振り抜くも、強烈なシュートはクロスバーを叩き、惜しくも同点とはならなかった。互いにチャンスを作りあった前半は、山形の1点リードで終了した。
47分、ボックス手前左でボールを引き出した平川がボックス内にスルーパスを供給。髙橋利樹がこのボールに反応し抜け出すと、カバーに入った山﨑浩介に後方から倒され、熊本がPKを獲得した。これをキッカーの杉山が冷静にゴール右下隅に流し込み、熊本が同点に追いついた。
57分にも熊本に決定機。最終ラインからのロングボールのこぼれ球を拾った杉山がボックス内に侵入し左足でシュートを放つ。しかし、ボールを惜しくも枠の左に外れて得点とはならず。その直後にも左からのクロスにゴール前で髙橋が合わせたが、こちらもゴール左に外れ、勝ち越しとはならなかった。
60分、山形はプレーオフ1回戦で途中出場から得点を挙げたデラトーレとチアゴ・アウベスの2選手を投入。すると72分に山形に決定機が訪れる。左サイド敵陣深くでボールをキープした川井歩がゴール前にクロスを送ると、ファーサイドに走り込んだ河合秀人が右足で合わせる。このシュートは惜しくもクロスバーを直撃したものの、こぼれ球を拾ったデラトーレが左足のボレーで再びゴールを狙う。しかし、熊本のGK佐藤のスーパーセーブに阻まれ、ゴールネットを揺らすことはできなかった。
その後は両チームとも相手ゴール前に迫るシーンを作るも、互いにゴールネットを揺らすことはできず。引き分けでも突破が決まる熊本は鋭いと粘り強い守備対応で山形の攻撃を阻み、時計の針を進めていく。
試合はこのまま2－2で終了。年間順位で上回る熊本が2回戦を突破した。J1参入プレーオフ決定戦は11月13日に行われ、熊本は明治安田生命J1リーグで16位の京都サンガF.C.と対戦する。
【得点者】
1－0 12分 イヨハ理ヘンリー（ロアッソ熊本）
1－1 17分 山田康太（モンテディオ山形）
1－2 24分 南秀仁（モンテディオ山形）
2－2 50分 杉山直宏（ロアッソ熊本）
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