ブータン国内最初の民間新聞として発足した『Bhutan Times』Web版より、現地メディアでしか手に入らない貴重なローカルニュースを翻訳・編集してお伝えする。

総額約803億円を支援金として提供予定

インド政府は今年9月、ブータン全土で実施されている主な開発プロジェクト推進援助のために、27億9,200万ニュルタム(約49億9,747万2,668円)を交付した。

同二国間プロジェクトは、道路インフラ、都市開発、青少年育成、農業、産業開発、健康インフラや文化保護などの分野で実施されている。

このプロジェクト期間中に、インド政府は総額450億ニュルタム(約803億4,747万8,715円)を援助資金として提供する予定で、すでに交付された資金の一部は82のプロジェクト連動型支援計画、524の大規模コミュニティ開発プロジェクト、プログラム助成金支援の実施に活用されている。

約50億円支援金の主な使い道

今年9月に交付された資金の使用目的の内訳について、国内の貿易インフラと貿易ガバナンス機構を開発するための暫定的な移行貿易支援施設に、4億ニュルタム(約7億1,419万9,810円)が拠出されている。

また、ブータン全県である20のゾンカク(Dzongkhag=県)すべてにまたがる379の大規模なコミュニティ開発プロジェクトを推進するために、9億6,525万ニュルタム(約17億2,358万7,660円)が搬出された。これらの小規模な開発プロジェクトは、農業、保健、教育、地域開発の分野で、それぞれの地方政府によって実施されている。

「20全県のゲオグ(地区)・センター・ロードの漆喰化」など主要な大規模プロジェクトに関連する支援プロジェクトには、6億2,435万ニュルタム(約11億1,486万3,461円)がリリースされた。このプロジェクトは、チュカ、ダガーナ、サムツェ、モンガル、ティンプー、ペマガツェル、サムドラップジョンカール、サルパン、トラシガン、タシガンの各ゾンカク行政によって実施されている。

このリリースには、ブータン王立における開発イニシアチブの実施を促進するための「プログラム助成金」である4億2,500万ニュルタム(約7億5,913万7,973円)分も含まれている。

同リリースでは上記の主要プロジェクト以外にも、ウォンディフォドラン城の再建、ウォーターフラッグシッププロジェクト、150床の母子病院(ティンプー)の建設、廃棄物フラッグシッププロジェクト、ブータンのスポーツインフラ開発などの他支援援助にも使用される。

さらに、政府主導のネットワーク・プロジェクト、ダムドゥム工業団地の開発、既存の技術訓練機関およびゾリグチュズム(「ブータンの伝統的な美術と工芸」の意)専門学校の増設、タリンタンからドラマリンへの道路建設もこの助成金の対象になっている。

インド大使館関係者は、「インド政府は、ブータン王国政府および国民と協力し、緊密かつ独自の友好・協力関係を発展させることに引き続き尽力する」と話している。

建設中のティンプーにある母子病院(ブータンのメディア『Bhutan Times』より)