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人間たちの心を癒やし、笑顔を生むペットは大切な家族の一員だ。しかしその生涯は、人間よりもずっと短く終わりを迎えてしまう。

「ペットロス」という言葉をよく耳にするようになったが、そんな飼い主のための斬新なアイディアが話題になっている。イギリスの『The Sun』や『Daily Star』が報じた。


■飼い主が直面する「ペットロス」

オーストラリアにある剥製制作会社が今、世の中の動物好きたちを騒がせている。経営者のマディーさん(29)は、「ペットが天国へ旅立つと飼い主は虚無感に襲われ、悲しみに暮れてしまいます」と話す。

いつかは訪れるその時を覚悟していても、やはりペットロスになる人は多く、その感情は「勝手に涙がこぼれる」「食欲がわかない」といったものから、「ペットに対する罪悪感」までさまざまだという。


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■ある物に生まれ変わる愛犬

じつは、18歳の頃から剥製に携わる仕事をしていたマディーさん。死んでしまった後もペットのことを忘れられない、一生をともに過ごしたかったと悲しみに暮れる飼い主たちのために、その経験を活かしてペットを剥製にするサービスを思い付いた。

ここ5年ほど多くの問い合わせや予約を受けるようになり、ビジネスは大好評だが、非難されることも度々あるという。先日は、ゴールデンレトリーバーを亡くした飼い主からの要望で、毛が抜け落ちない特殊加工を遺体に施し、顔が付いている毛皮のラグに変身させた。


■世間は賛否両論

飼い主からは「リビングに置いていると、常に一緒にいる感覚になれる」と喜びの言葉をもらったが、それをInstagramで公開するやいなや賛否両論を巻き起こし、炎上してしまった。

「一生の宝物になる」「いつも見守ってくれている感じがする」と称賛の声がある一方、「作業のプロセスを想像すると、かわいそうでできない」「記憶として残すだけにしておきたい」といったコメントも多いという。


■「飼い主の悲しみを癒やしたい」

マディーさんはメディアの取材に、「剥製が万人受けするものではないことは承知しています」「ただ、愛するペットが永遠に隣にいることで、飼い主の悲しみがわずかにでも癒えるのであれば、やはりこれはやりがいのある仕事だと感じます」と思いを明かしている。

また、犬だけでなく猫やネズミ類、ウサギ、ヤギに鳥類など対象は多岐にわたるそうだ。マディーさんのInstagramには、まだ命が宿っているかのようなリアルな剥製の写真が数多く公開され、その技術は高く評価されている。

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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ

飼い主のペットロスと向き合う剥製会社が話題 「万人受けしないがやりがいある」