ハリセンボン近藤春菜がスタジオMCを務めるABEMAオリジナル恋愛番組のシリーズ10作目となる新作「恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK」が11月13日(夜10:00-)から放送される。来年2月で40歳の誕生日を迎える近藤は、30代を“めちゃくちゃ楽しい10年間”と振り返り、がむしゃらだった20代を経て、「良い意味で自分に対して諦めることができるようになった」「『それは無理です』と言えるようになった」と振り返り、「今の一番のテーマは、無理をせずに、自分らしさを失わずにどう活動できるか」と明かす。その一方で、芸能界に対する“ミーハー心”は、現在に至るまで衰えることがなく、「芸能界が異常に好きなんです」と笑顔を見せた。

【写真】満面の笑顔…ポーズを決める近藤春菜

■『ドラ恋』出演者に抱く“親心”「20代の頃の自分と重なる」

――春菜さんは、「恋愛ドラマな恋がしたい」のスタジオキャストをシーズン7から4シーズン連続で務められています。改めて、この「ドラ恋」シリーズの魅力がどんなところにあると思いますか。

来年40歳になる私からすると、20代の若手俳優の皆さんが夢に向かって頑張っている姿を見ると、初心に還れるというか、自分が20代の頃を思い出します。がむしゃらな姿勢が素敵だなと思いますし、そこに恋愛も絡んでくるからすごくキュンキュンしますし。見ているとすごく元気をもらえるので、視聴者の方も、そういったところに魅力を感じているのではないでしょうか。

――春菜さんも20代はがむしゃらだったのでしょうか。

そうですね。芸人になりたての20代の頃は右も左もわからず、今やってることが将来につながるかもこの先も仕事が続くのかもわからない状態で、とにかく目の前のことに全力で取り組むしかありませんでした。「ドラ恋」メンバーを見ていると、色んな不安を抱えながら突き進んでいた当時の自分が重なるので、自然と親心がわいてしまいます(笑)。

■ファーストキスだった“ビジネスキス”…リットン調査団・水野の優しさ

――「ドラ恋」では、出演俳優同士の「キス」が重要な要素となっています。春菜さんはこれまでに、約30人以上と“ビジネスキス”をされてきたそうですが、もっとも印象的だったビジネスキスをお聞かせください。

芸人になって2年目くらいに、生放送の罰ゲームでしたファーストキスが思い出に残っています。相手は、リットン調査団の水野(透)さんでした。芸人として覚悟をもって臨んだんですけど、人生初のキスでもあったので、終わった後に心の奥底に眠ってた“乙女の春菜”が「キスしたんだ…」となり、複雑な気持ちになったのを覚えています(笑)。そしたら、水野さんがすっごく優しくて「大丈夫だった?」とフォローしてくださったんです。今でも会う度に「あの時はごめんな」と声をかけていただいていていますし、本当に紳士的な方なんですよ。

――「ドラ恋」シリーズを見て、自身の恋愛で活用したいと思った恋愛のテクニックや、アプローチ法があれば教えてください。

スタジオにいると、出演している俳優さんたちの思っていることがすべてわかるんですよね。なので、「どうしてもっと素直にアプローチできないの!?」「積極的にいけばいいじゃん!」とヤキモキしたりもします。だけど、自分が当事者になって、意中の相手に素直に気持ちを伝えられるかといったら、できる自信はありません。でもだからこそ番組を通して、“人に気持ちを伝える”ことは難しいけど大事であり、思ったことは絶対に言葉に出したほうがいいと学びましたね。

■がむしゃらだった20代は「恐怖心があった」…30代では「心に余裕が生まれた」

――先ほど「来年40歳になる」とおっしゃっていましたが、間もなく終わろうとしている30代は、春菜さんにとってどんな10年間でしたか。

めちゃくちゃ楽しい10年間でした。20代の頃は周りが見えないくらい目の前のことにがむしゃらでしたが、30代は20代に経験を積んだ分、対応力が身に付き、物事を俯瞰で見られるようになった気がしますね。

――30代は、20代と比べて余裕が生まれたのですね。

そうですね。あとは、自分にとっての向き・不向きがハッキリとわかるようになって、良い意味で自分に対して諦めることができたように思います。30代で向いていないことを得意にするのって、なかなか難しいじゃないですか。だから、「それはもういいや」と諦められるようになったんです。20代の頃は「MCをやりたいからMCの力をつけなきゃ、大喜利も頑張らなきゃ、一発ギャグもやらなきゃ、モノマネも考えておかなきゃ」とか、「これはできません」とは言えなかった。でも、30代になってからは、「それは無理です」と言えるようになりました。

――なるほど。

20代の頃はやっぱり恐怖心があったんですよ。芸能界は、自分がやっと手に入れたポジションに穴をあけたら、他の誰かにすぐ奪われてしまう世界ですし。だけど30代になってからは逆に、「自分がいなくても問題なく回る世界なのであれば、別にやりたくないことを無理にやらなくてもいい」と思えるようになって、心に余裕が生まれたんです。だから、無理をせずに、自分らしさを失わずにどう活動できるかというのが、今の一番のテーマです。

■芸能活動のモチベーションは“衰えないミーハー心”「芸能界が異常に好きなんです(笑)」

――現在は、芸能活動を続けるうえでのモチベーションをどんなところに置いているのでしょうか。

私の中には、「芸人になりたい」と思い始めた中学生の頃の自分がずっといるんです。この世界に好きで入って、仕事を始めてもう20年近くになりますけど、いまだに芸能人の方と仕事をすると「あ、〇〇さんだ!」とミーハー心がくすぐられて当時の自分に戻れるんです。そしたら改めて、「自分はすごい世界にいさせてもらえてるんだな」とワクワクした気持ちになれるんですよね。

――すごいですね!そういった「好きであり続ける」という“ミーハー心”は、同じ環境に長くいると衰えがちな気がします。

そうですよね(笑)。そういった慣れができなくてよかったなと思いますね。

――“ミーハー心”が衰えることなく、いつまでも持ち続けることができる秘訣をお聞かせください。

芸能界が異常に好きなんです(笑)。いまだに年下のアーティストのファンになって、SNSを閲覧しまくったりしているので、友達にも驚かれますよ。芸能界という大きなくくりの中でいえば、私のほうがそのアーティストよりも先輩じゃないですか。なのに、その子と会えた日には「うわ!会えた!」と感動しますから(笑)。

――そんな思い入れの強い芸能界で、40代はどんなことに挑戦したいですか。

味のある人になりたいというか、年齢に応じたことをやっていきたいです。芸人として今まで培ったものを大事にしつつ、違う畑にも挑戦してみたいです。たとえば、お芝居とかですね。

――お芝居、ですか。

はい。コントだと自分たちが作ったキャラクターを演じますけど、お芝居だと第三者が書いた役になれるじゃないですか。それがすごく新鮮ですし、いい意味で緊張感があって楽しいんです。そんなふうに、芸人っていろんなことに挑戦できるから、「大人のキッザニア」みたいで、つくづく面白い職業だなと思います(笑)。

――そして「ドラ恋」最新作の「恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK」がスタートしますが、ここまで収録をここまで振り返りいかがでしょうか。

コロナ禍以降、なかなか自由に海外へ行けない状況が続きましたが、今回の「ドラ恋」で、今のニューヨークの街並み・雰囲気を見ることができて、すごくテンションが上がりました。私も過去に仕事で訪れたことがあるんですけど、ニューヨークって、色んな意味で刺激とエネルギーに満ちた街なんですよね。そこで今後、どんな恋愛模様が繰り広げられるのか、今から楽しみです。

――最後に番組の見どころについて、メッセージをお願いします。

恋愛番組を今まで見てこなかった人でもお芝居の面も楽しめるし、恋愛の面も楽しめるし、今回はまたニューヨークという場所も楽しめるので、一度騙されたと思って観ていただけたら幸いです。

文=こじへい

近藤春菜/※ザテレビジョン撮影