13日、J1参入プレーオフ決定戦の京都サンガF.C.vsロアッソ熊本サンガスタジアム by KYOCERAで行われ、1-1の引き分けに終わった。この結果、規定により京都がJ1残留を決めた。

今季12年ぶりにJ1へ復帰した京都だが、スタイルを貫いながらもリーグワースト2位タイの得点数「30」がネックとなり、16位で終えた。一方で、3番目タイに少ない失点数「38」は、引き分けでも残留が決まる条件下ではポジティブな要素だ。

J3からの復帰1年目ながらも躍進し、J2を4位で終えた熊本はプレーオフで5位・大分トリニータ、6位・モンテディオ山形と対戦し、いずれも2-2。勝負強さとレギュレーションを生かし、クラブ史上初のJ1昇格へ王手をかけた。

京都は[4-3-3]、熊本は[3-3-1-3]と慣れ親しんだシステムでスタートした一戦は、序盤から互いに高い位置からプレスを掛ける。これをいなした京都は荻原がボックス手前左からこの日最初のシュートを放ち、10分には福岡がミドルを見せた。

立ち上がりはJ1基準のタイトな守備にはまりかけた熊本も、徐々に対応。球離しを早め、アンカー脇などのスペースを見つけると、17分には坂本が竹本とのワンツーからボックス左へ侵入してのフィニッシュに至った。

白井の突破や豊川のミドルなど、京都が押し込む時間帯を作れば、熊本も自慢のパスワークを駆使して再び坂本と一進一退の攻防を見せる。

その中で熊本は38分、中盤でのボール奪取から速攻を仕掛け、杉山の左足ミドルがGK上福元のセーブを強いる。流れは傾くかと思われたが、京都は直後のフィードから試合を動かした。

中盤での空中戦の応酬からボールがこぼれると、バイタルエリアで前を向いた松田が優しい浮き球をボックス左へ送る。背走しながら処理した三島がコントロールを誤ると、抜け出していた豊川は飛び出したGK佐藤の動きを見て冷静な左足の浮き球シュート。39分に京都が先制し、前半を終えた。

大きなアドバンテージをもぎ取った京都は後半の頭からラッシュをかける。川崎は右足で巻いたシュート、CKからは井上がヘッドと、立て続けに熊本ゴールに襲い掛かり、51分には最終ラインでのビルドアップからゴール前まで運び、山崎のクロスに長い距離を走った福岡が飛び込んだ。

京都の猛攻をしのいだ熊本は杉山のヘディングや河原の右足ミドルで反撃し、さらにはスピードのあるターレスを投入して個で突破にも期待をかけると、この策が的中。ターレスのドリブルから右CKを獲得し、河原のキックをニアでイヨハが合わせて68分に同点ゴールを決めた。

独特の緊張感からか足をつる選手も散見するも、両チームともに3枚替えで運動量を維持し、ゲームの強度を落とさないまま試合は終盤へ。残り時間も5分を切ると、京都はピッチの角へボールを運び、時計の針を進めるプレーを選択し始める。

あと1点が必要な熊本は追加タイム2分のCKでGK佐藤を上げてのパワープレーを仕掛けると、平川に連続フィニッシュシーンが訪れた。だが、ウタカの顔面ブロックや右ポストでゴールを割れず、このままタイムアップ。

1-1の引き分けに終わり、規定によって京都がJ1残留を決めた。熊本はプレーオフで3戦連続の引き分けとなり、レギュレーションで勝ち上がってきたが、最後はレギュレーションに泣くこととなった。

京都サンガF.C. 1-1 ロアッソ熊本
【京都】
豊川雄太(前39)
【熊本】
イヨハ理ヘンリー(後23)