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マカンのEVモデル 詳細が明らかに

ポルシェは、同社初の電動SUVとなる次期マカンEVの正式発表を前に、技術の一部を明らかにした。

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マカンのパワートレイン担当者であるアントーン・ヤンセンは、AUTOCARに対し、次期マカンEVが同クラスで最もスポーティなモデルになることを目指している、と語った。

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ポルシェ・マカンEVのプロトタイプ

次期マカンEVは、新しい「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」プラットフォームをベースとし、タイカンと同様の永久磁石式電気モーターを2基搭載する。

エネルギー密度と効率を高める「ダブルV」の磁石配置や、シリコン半導体からシリコンカーバイドSiC)への切り替えなど、大幅な改良が加えられているという。シリコンカーバイドは、モーターのパルスインバータにおけるスイッチング損失(実質的な電力漏れ)を低減する。

これらの改良により、最大出力611ps、最大トルク102kg-mを発生させる。ただし、タイカン・ターボSに搭載されている出力とトルクを一時的に引き上げる「オーバーブースト」機能が、マカンEVでも採用されるかどうかについてはポルシェはコメントを避けた。

なお、フロントとリアに1基づつモーターを搭載する四輪駆動となるが、巡航時にフロントモーターを切り離し、転がり抵抗を減らす(エネルギーを節約する)ことができるとヤンセンは述べている。

ダイナミクスも重視されている。モデルシャシー担当者のドミニク・ハルトマンは、モーターを可能な限り後方に設置する「パフォーマンス・リアアクスル」の採用を明らかにした。これにより、フロント48%、リア52%の重量配分を実現し、トラクションを最大化するという。参考までに、タイカンはフロント49%、リア51%となっている。

走りに焦点を当てたセッティング

さらにポルシェは、前後のタイヤ幅の差を現行モデルより拡大すると述べた(既存のマカンGTSでは、フロントに265mm幅、リアに295mm幅のタイヤを使用している)。これは後方に偏った重量に対応するためで、グリップを向上させる狙いがある。

また、ポルシェの2バルブダンパーが初めて採用される。ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント(PASM)システムによって個々の細かい調整が可能になるため、乗り心地が改善されるとのこと。高速走行時には車高を下げ、エアロダイナミクスを改善してエネルギー消費量を抑えることもできるだろう。

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ポルシェ・マカンEVのプロトタイプ

操縦性を向上させるため、ステアリング角は既存のガソリン車より15%拡大され、最大5.0度(80km/h以下)の後輪操舵も追加される。

マカンEVの上級モデルには、前後トルクベクタリング機能を向上させるために、電子ロック式ディファレンシャルも搭載される。

全車に100kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載されるが、航続距離はまだ明らかにされていない。タイカンの場合、93kWhバッテリーを搭載すると、1回の充電で約500kmを走行できるとされる。800Vのアーキテクチャにより、270kWを超える充電率にも対応する。

しかし、ハードウェアとソフトウェアの工夫により、800Vのバッテリーを2つに分割して、400Vの充電器(家庭用ウォールボックスなど)に対応できるようになった。これによって、充電速度が向上するとヤンセンは語ったが、影響の大きさについては明らかにしなかった。

また、ヤンセンによると、PPEプラットフォームはより多くのバッテリーモジュールを搭載できるように拡張可能であるという。マカンEVは12個の角柱状セルを使用しているが、後に登場するカイエンEV(これもPPEプラットフォームを使用するとされている)ではさらに大容量のバッテリーを搭載する可能性がある。

とはいえ、ポルシェフォーミュラEチームのディレクターであるフロリアン・モドリンガーによれば、市販車の長期目標はバッテリーのサイズを小さくすることだという。モドリンガーは、これは「目標に違いない」ものの、モータースポーツよりも「時間がかかる」ことは認めている。

マカンのEVの発売は、2024年の予定だ。当初は2023年を予定していたが、フォルクスワーゲン・グループのソフトウェア子会社であるカリアドの開発難航により遅れが生じた。


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