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 来季より新たに巨人プレーすることが決まった松田宣浩。7度の日本一を経験した名手に独占インタビューを実施し、ムードメーカーとしても活躍してきた経験や、これからの目標について聞いた。

 試合中は守備位置から大きな声でチームを鼓舞し、ホームランを打てばお馴染みとなった「熱男」のパフォーマンスで球場全体をひとつにまとめ上げる。侍ジャパンでもその力は絶大で、当時監督だった稲葉氏も太鼓判を押すほどに強力だ。

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 そんな唯一無二の声の力について松田は、「(声は)選手一人一人の動きを変えてくれるし、その場の雰囲気も変えてくれると思うので、大事だと思ってます。打って守って走ることと同じ位置付けでやりたい」「声出すのにはエネルギーも使うけど、その先に得るものがあると思ってやってます。静かな選手、どこにいるかわからない選手よりも、常にどこかにいる存在になりたいと思ったので」と、声を出す重要性を明かした。松田も最初からムードメーカーだったわけではなかった。ソフトバンクのムードメーカーといえば川﨑宗則の名前を思いつく人も少なくないだろう。

 松田は「2011年に川﨑(宗則)さんがメジャーに移籍するまでは引っ張ってくれていたんですけど、メジャーに行って、もう出来なくなるからやってくれと言われてから、自分が声を出すようになりました」と、当時を振り返った。それでも、自分の中で声を出す役割がしっくりきたのは、2年後だったという。2014年に自身が試合に出続け、リーグ優勝を果たしたことで感触を得たそうだ。

 ソフトバンクで17年目を迎えた今季は、若手選手の台頭などもあり出場機会も減ってきていた。そんな中で松田は、「出続けることを意識してきました。でも、出続けられなくなって、(ベンチスタートになって)後から出る選手の大切さや役割に今年初めて気づきました。でもそれに慣れるのは良くないと思っていました。いつかチャンスが来た時に、(チーム内での)今の立ち位置を変えてやろうという気持ちでいました。それがきついと思ってたら辞めてると思います」と新たな発見をしたという。

 出場機会が減ったことで、見えてきたものもある。しかしそれでも、出場し続けることを諦めるわけではない。そんな熱い魂を持ち続けているからこそ、巨人も獲得に動いたのだろう。「若い時は外野も何度も守ったことがある。とにかく試合に出て貢献したい」と語る松田は、培ってきた豊富な経験を新たなチームメイトに伝え、巨人の巻き返しに大いに貢献してくれるに違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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