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(写真:PIXTA)

相次ぐ値上げで火の車の家計。もっともっと節約しなきゃ! と思うあなた。一度、自分の節約の方法を見直しませんか? 時代の変化も影響し、お金がたまるどころか減っていってしまう節約方法もあるんです…。

「チラシで最安商品を見つけたり、スーパーで半額シールに出合うと『安い!』と飛びつく人がいます。でも、どれだけ安くてもいらないものを買うのは賢い節約とはいえません。誰でも不要なものを買って使い切れず、腐らせてしまった経験があると思いますが、もったいないですよね」

そう話すのは家事アドバイザーでAll About節約ガイドの矢野きくのさん。

「『安いから』と不要なものまで買ってしまうのは、ただの無駄遣い買い物における“節約”は、“安いものを買うこと”ではなく“必要かどうかで選ぶこと”です」

相次ぐ値上げで、ますます必要に迫られる節約だが、このように間違った方向に取り組んでいる人は少なくないというのだ。

ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんも、節約の落とし穴をこう指摘する。

「最近冷え込んできましたが、“自分がガマンすれば光熱費が浮く”とたくさん着込んでとにかく暖房はつけない、という人がいます。

でも、風邪をひけば薬代や医療費がかかります。パートを休むと、その分給料が減ることもあるでしょう。ガマンして節約しても、その何倍もの損につながり、貯金が減ってしまえば意味がありません。

無理して光熱費を抑えるより、健康でいることのほうが節約につながるんです」

また、時代の変化によってこれまで正しかった節約の常識が通用しなくなることも……。

「小銭貯金が好きな人もいると思いますが、多くの銀行で小銭を預けるには『硬貨入金手数料』が必要です。手数料額は硬貨の枚数しだいなので、1円玉が大量だと預入額がかなり目減りすることに。

小銭はためずにセルフレジなどで使い切り、代わりに紙幣を貯金しましょう」(矢野さん)

もちろん、間違った節約や、絶対にダメな節約というものは少ないと矢野さん。

「待機電力カットのためにコンセントからプラグを抜く人がいますが、これもまったく節約できないわけではありません。でも、全部のプラグを抜いたところで、節約効果はほんのわずか。努力に見合う効果が得られない節約は、長続きもしにくいんです」

■お風呂の保温を断固として避けるという無駄節約

ここからは、矢野さんと丸山さんに聞いた残念な節約モンスターを紹介。当てはまる生態がないか、早速チェック&正しい節約法を学んで、貯金を増やそう!

【その1】エアコンの空騒ぎ

<生態>:「部屋全体を暖める」作戦に心血を注ぐエアコン暖房界のオニ。エアコンと扇風機サーキュレーター)の二刀流で大々的に空気をかき回し、室温の均一感を追求する

<正しい節約法>:エアコンと扇風機で暖気を循環させるのは◎。だが、部屋全体にこだわるのは×。正解は人のいるところだけ暖かくなるよう扇風機の位置や向きを工夫すること

【その2】妖怪コンセント抜き

<生態>:「電気代高騰中」を合言葉に節電に全集中。省エネが大好物で、敵は待機電力。使っていない家電コンセントの全抜きがミッション。時に家族に嫌われるが、まったく気にしない

<正しい節約法>:家じゅうの待機電力でも消費電力の約5%。つまり待機電力を全カットしても節電効果は5%程度。テレビの視聴を減らしたり、照明をこまめに消すほうが効果大

【その3】風呂水リサイクラ

<生態>:風呂の残り湯さえも捨てたくないストイックなリサイクル活動家。ガス代節約のため自動保温は使わないが、追いだきには無頓着。残り湯を追いだきして、何日も使いまわす

<正しい節約法>:追いだきは時間がかかり、ガス代も高くつく。ぬるくなったら高温の差し湯を。また残り湯は雑菌だらけ。健康のためにも、ガス代の面でもお湯を入れ直したほうがお得

【その4】節約過激派

<生態>:口癖は「もったいない」。急に寒くなっても、まだもったいない。自分1人だから、もったいない。暖房はもったいないから、やせガマンパワーと着ぶくれ圧力で寒さをしのぐ

<正しい節約法>:服で調節できる程度ならいいが、度を越すと風邪をひくことも。体調を崩すだけでなく、薬代や医療費などが高くつく。健康な暮らしが実はもっとも低コスト

【その5】最安ホイホイ

<生態>:何枚ものチラシを吟味し、最安商品をあぶり出すのが得意技。ただ、見つけたら必ず買って収集せずにはいられないのが弱点

<正しい節約法>:買い物回数が多いと、小さな無駄遣いが増え予算を守りにくい。ネットスーパーなら総額表示で予算管理が楽、カートに入れすぎても取り消しが簡単

■無駄につながりやすい100均グッズ

【その6】半額追跡者

<生態>:日中は身を潜め、夕方遅めのスーパーに出没する。割引シールを貼る店員の真後ろを尾行し、半額シールのついた商品は迷わずゲット

<正しい節約法>:必要なものが半額で買えたらお得だが、必要でないものを買うのはたとえ半額でも無駄遣い。安くても不要なものは買わず、買い物を減らすのが本当の節約

【その7】100均収納の“ステ”シャリス

<生態>:100円ショップで収納用品を買うのが大好き。「100均最強説」を信じて大量購入し、中途半端で使えないグッズの山を築く。「失敗しても100円」と潔く捨てまくる一面も

<正しい節約法>:必要なら、失敗しない買い物を。捨てると商品代が無駄になるだけでなく、自治体指定のゴミ袋など、捨てるコストもばかにならない

【その8】送料無料マニア

<生態>:送料を払うなんて許せないケチケチ性分。送料無料ラインを超えるまで、必死に買うものを探し続け、「ついでにこれもいかが?」の誘惑にはまってしまう

<正しい節約法>:どんな理由でも不要なものを買うのは無駄遣い。必要なものだけで送料無料になるまで購入を待つか、送料は現地までの交通費と割り切ろう

【その9】小銭貯金の罠

<生態>:旅行資金100万円を目指して、財布の小銭を貯金箱に入れるのが日課。貯金箱を振ると妄想は膨らむが、銀行預金の残高は乏しい……

<正しい節約法>:小銭の入金には「硬貨入金手数料」が必要なことが多い。せっかくためても小銭だと目減りしてしまう。小銭はセルフレジでせっせと使い、紙幣をためよう

【その10】清貧仮面

<生態>:私の分を買うのは贅沢、私の小遣いはカットが仮面流。でも「ひと口ちょうだい」「いらないならちょうだい」「ランチ代は家計から」。家族にとがめられたら「なによ、ケチ」

<正しい節約法>:本人は節約のつもりでも、単なるタカリ魔になりがち。子どもに嫌がられ、家族仲が悪くなる危険性も。自分の小遣いも予算を立て、その範囲内でやりくりを