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ラリー仕様の911 ついにデビュー

ポルシェは、スポーツカーの911に大幅な改良を加えた派生モデル「911ダカール」を公開した。オフロード走破性を追求しながら、ターマックでも高いパフォーマンスを発揮するという。

【画像】砂漠を走るスポーツカー【新型ポルシェ911ダカールをスポーツ・クラシックやGT3 RSと写真で比較】 全56枚

911ダカールは、2年以上前から試作車両の存在が確認されており、年月を経て米国で開幕したロサンゼルス・モーターショー(LAオートショー)で披露された。高級志向の911スポーツ・クラシックやサーキット走行に特化した911 GT3 RSに続いての登場となる。

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ポルシェ911ダカール    ポルシェ

ポルシェは世界トップレベルのラリーにおいて成功を収めてきた歴史を持ち、最も有名なのは1984年1986年にダカールで勝利を収めた911ベースの959グループBレーサーだが、世界ラリー選手権の黎明期にもさまざまなプライベーターの活動を支えてきた。

911ダカールは、四輪駆動の911 GTSと非常に近い関係にあり、最高出力480ps、最大トルク58kg-mのツインターボ3.0Lフラット6と8速PDKを共有する。しかし、シャシーとボディに広範囲に及ぶ改良が施され、兄弟車とはまったくの別物になっている。

911カレラよりも最低地上高が50mm高くなり、そこからさらに30mm上げることもできる。ポルシェは、このサスペンションについて「単に低速で障害物を乗り越えるために設計されたものではない」とし、「オフロードアドベンチャーを意欲的に楽しむ」ことができると述べている。速度が170km/hを超えると、車高が自動的に通常の位置まで下がるという。

GT3並みの加速力で砂漠を駆け抜けろ

アルミホイールフックスにインスパイアされたデザインで、装着するタイヤも9mmのディープトレッドと強化サイドウォールを備えたピレリスコーピオン・オールテレーン・プラスで、オフロード用の特別なものだ。ポルシェによれば、このタイヤはオンロードにおけるダイナミクスにも優れており、オプションとしてさらにターマックに適したPゼロも用意されているとのこと。

その他、全輪操舵(4WS)、GT3と同様の「ダイナミック」エンジンマウント、アクティブロールコントロールが装備されている。

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ポルシェ911ダカール    ポルシェ

また、さまざまな地形に対応するために、2つの新しい走行モードが導入された。「ラリー」は後輪駆動寄りで緩く凸凹のある路面に適したモード、「オフロード」はサスペンション高を最大にし、パワーを前後に均等に配分するモードだ。両モードには、緩い路面での加速力を最大化するラリー・ローンチ・コントロールが備わり、最大20%のタイヤの空転を許容することができる。

シャシーだけでなく、エクステリアにもこだわりが見られる。アルミニウム製のトーイングポイントを前後に装備するほか、大きく拡大されたフェンダーやスチール製の保護プレートも特徴的だ。さらに、カーボンファイバー強化プラスチック製のリアスポイラーや、GT3から移植された軽量トランクリッドなど、専用のディテールが盛り込まれている。

ボディカラーとしては新たにシェイドグリーンが追加された。また、オプションでラリー・デザイン・パッケージが用意されており、ダカールで優勝したロスマンズのカラーリングを模した、白青ツートン(赤と金のストライプ入り)のカラースキームが施される。1から999までのレースナンバーを選べるほか、ドアに「Roughroads」のロゴがあしらわれる。このパッケージの価格は433万7000円(税込み)となっている。

911ダカールの車重は、カレラ4 GTSより10kg重い1605kgだが、リアシートの撤去、スリムな窓ガラス、軽量バッテリーの採用など、厳しい軽量化措置によって重量増は最小限に抑えられている。0-100km/h加速はわずか3.4秒(GT3とほぼ同等)、最高速度は240km/hに達する。

11月17日より、日本においても予約受注が始まっている。価格は3099万円(税込み)から。


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