内藤剛志主演の刑事ドラマ「曲り角」が、11月18日BS12で放送される。

【写真】若々しい内藤剛志…2003年放送の「曲り角」より

同作は、2003年に日本テレビ系火曜サスペンス劇場」で放送された、内藤演じる所轄の刑事・堀江の活躍を描くクライムサスペンス。

サラ金の女社長・森本直子が殺害された事件を捜査していた堀江は、事件発生当時に彼女が会う予定だった債務者が、警察学校時代の同期で、夫婦ぐるみの付き合いをしていた親友・霧島則夫だと知り驚愕する。親友を信じたい気持ちに揺れながらも、事件の真相に迫っていく。

■数多くの刑事役を演じる内藤剛志

内藤といえば、これまで数多くのドラマにおいて刑事役を演じてきたことで知られている。現在の年齢は67歳で、還暦をとうに過ぎた今なお、精力的にフィクション作品の中で事件解決に向けて奔走する。

特にテレビ朝日系人気ドラマシリーズ「警視庁・捜査一課長」の大岩純一や、「科捜研の女」の土門薫などははまり役として有名だ。

■「水曜日のダウンタウン」で“刑事役以外やってない説”も

そんな「内藤剛志=刑事役」というパブリックイメージを大々的に取り上げたのが、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)だった。2021年11月17日放送の同番組では、ナイツの塙宣之が「内藤剛志 この20年刑事役以外やってない説」を提唱。番組内で紹介されたデータによれば、2015年~2021年までに内藤が出演したドラマ211本のうち、刑事を演じた作品はなんと205本。“刑事役率”は97.16%に達するというから驚くほかない。

水ダウ」放送時のTwitterには、「明らかに普通の刑事よりも働いている」「内藤剛志は俳優じゃなくてもう警察やろこれ」などの声が寄せられた。

■内藤剛志、硬派な印象&“笑い”にも対応できる柔軟性

刑事役があまりにも堂に入っているからだろうか。2021年、テレビ東京系で長らく単発放送されている主演ドラマシリーズ「警視庁強行犯係 樋口顕」が初の連ドラ化するにあたってのリモート会見にて内藤は「警官に黙礼される」とも語っていた。

本職も認めるほどの警官らしさは、いったい、どこからくるのだろうか?

その理由を考えた時に、一番に浮かぶ要素と言えば、やはり、そのビジュアルだろう。内藤の身長は183cm。大柄で比較的がっしりとした体躯であるため、どんな犯人も取り逃さなそうな存在感がある。それに、トレードマークの短く刈り込んだヘアスタイルも、実直で硬派な印象を与える。

かといって、硬派一辺倒というわけでもない。内藤はかつて、テレビ朝日の恒例特番「芸能人格付けチェック」を生んだことでも知られるバラエティ番組「人気者でいこう!」(テレビ朝日系)にダウンタウンの浜田雅功とともにレギュラー出演していたこともある、いわゆる“バラエティノリ”を解する洒落の通じる俳優だ。

そのため、「捜査一課長」における「なに!?アンパンまみれのご遺体!?」や「餃子の皮を握ったご遺体!?」などといった風変わりなご遺体が発見された際の演技もお手の物。刑事ドラマらしいシリアスな世界観の中に、シュールな笑いを一つまみ加える「捜査一課長」特有の独特な世界観にも難なく対応できる柔軟性を兼ね備えているのだ。

■内藤剛志、刑事役ばかりの葛藤は「まったくない」

こうした刑事役が多いことについて、内藤自身はどう思ってるのか。

以前、WEBザテレビジョンが実施したインタビューでは、「全然気にしてません。たしかに刑事ドラマばかり出演していますが、演じている役柄はすべて違う人」と話しており、「細かいところだと、大岩を演じている時は絶対にポケットに手を入れないとか、役柄ごとに姿勢を変えたりしてる」などと、細かい演じ分けを明かした。そのうえで、「刑事役ばかりでの葛藤は、まったくない」「今後も『刑事をやってほしい』とおっしゃっていただいたら、僕にできることを一生懸命やらせてもらうだけ」と言い切っていた。

そうした実直でひたむきな姿勢ゆえに様々な刑事ドラマから求められ、今では刑事役の大家的ポジションを築くまでに至ったのではないだろうか。内藤にはこれから70代に突入しても、現役バリバリの“デカ”として、様々な難事件の解決に心血を注いでもらいたいものだ。

文=こじへい

内藤剛志/(C)ユニオン映画