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このほどアメリカで、下校途中の小学生が見知らぬ女に後をつけられ、「お菓子を買ってあげる」などの言葉で、一緒についてくるよう促された。女の異様な行動に身構えたこの10歳の少年はとっさに機転を利かせて目の前の店に入り、店員に「母親のふりをして欲しい」と助けを求めた。『New York Post』『6abc Philadelphia』などが伝えている。

ペンシルベニア州モンゴメリー郡ポッツタウンで、現地時間の今月11日午後3時47分頃、地元の小学校に通うサミー・グリーン君(Sammy Green、10)が、下校途中に不審な女に付きまとわれ恐怖することとなった。当時サミー君は大通りを歩いていたところ、見知らぬ女が彼の後をつけてきたという。

その後、女はサミー君と並んで歩き始め、「私はコンビニエンスストアの『ワワ』に行くんだけど、あなたも行くでしょ? 何が欲しい? あなたの家族はどこにいるの?」と質問してきたそうだ。さらに女はサミー君に「何か食べ物を買ってあげるわ」と言って、コンビニエンスストアへ連れて行こうとした。

恐怖を感じたサミー君は、とっさに目の前のギフトショップ「ダニ・ビー・ファンキー」に入った。そして女が入り口で待っている間に、サミー君はレジカウンターの中にいる店員のハンナ・ダニエルズさん(Hannah Daniels、17)のもとへ行き、小声で「僕のママのふりをして欲しいんだ。あの女の人が僕の後をついてくるんだよ」と助けを求めた。

ただならぬ様子のサミー君から危険を察知したハンナさんは、彼に「わかったわ。奥に行ってて」と言い、女が待つ入り口へと向かった。この時、奥にいるようハンナさんから促されたサミー君だったが、恐怖のあまり彼女のそばから離れることができなかったという。

ハンナさんは入り口まで来ると、女がドアから離れた隙にすぐにドアを閉めて鍵をかけた。店内に設置してある監視カメラが捉えた映像にはドアを閉められたあと、諦めた様子でその場から去って行く女の姿があった。

サミー君は、彼のとっさの判断と親切な店の店員ハンナさんによって誘拐されていたかもしれない状況を免れることができた。サミー君は「お店にいた時、僕はまだ震えていました」と当時を振り返った。のちにサミー君の父親であるサム・グリーンさん(Sam Green)は、監視カメラの映像を確認した後、自分の息子が無事だったことを痛感したのか思わず涙してしまったという。

サムさんは日頃からサミー君に知らない人に後をつけられたり、誘われたりした時の対処の仕方を教えてきたそうだ。そしてメディアのインタビューに応じ、このように語った。

「この事件は全ての親にとっての教訓と言えます。あらゆる状況を想定して子供達に教えて実践させることが重要です。防火訓練をするようにして練習させるのです。」

また、サミー君を危険から救ったハンナさんは、現在地元の高校に通う女子高生で、まだ17歳だという。店のオーナーであるダニ・スモールさん(Dani Small)は、「ハンナはまだ17歳なのに(サミー君を救うために)正しい行動を取りました。私は彼女をとても誇りに思います」と語った。

一方、地元警察は通報を受けたのちに、問題の女の身元を突き止めた。女は精神的な問題を抱えており、現在治療を受けているそうだ。米メディア『People.com』によると、今のところこの女に対して警察は起訴する予定は無いとのことだ。

画像は『New York Post 2022年11月16日付「Quick-thinking 10-year-old boy thwarts abduction attempt」(IMAGE:WPVI)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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