刑務所・牢屋

オクラホマ州で死刑執行となった元海兵が、最後の日の食事にチーズバーガーパンプキンパイなどを要求した。アメリカの複数の州では、死刑執行の前日に好きな食べ物を楽しむことができる制度があるが、「金の無駄遣い」と問題視する人も多いようだ。

『Mirror』や『NEW YORK POST』などの複数の海外メディアが報じた。


■死刑前日の食事内容

アメリカ・オクラホマ州で、元海兵隊員のリチャード・フェアチャイルドの死刑が執行された。当局の報告によると、フェアチャイルドの最後の食事はチーズバーガー2個、大きな容器に入ったポテトフライコカコーラパンプキンパイ、チョコレートアイスクリームだったという。

食事の後、彼は薬殺刑に処され、63歳で死亡した。


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■3歳の少年を殺害

フェアチャイルドは、1993年に自身の交際相手の3歳の息子を虐待し、殺害した罪で、死刑を宣告され服役していた。オクラホマ州立刑務所の死刑執行室で、彼は殺害した少年に言及し、反省の言葉を述べたという。

また、彼は「私は神のもとで安らかに眠る。私は天国の父に会うために家に帰るので、私のために悲しまないでください」と言葉を遺した。


■映画鑑賞を要求した死刑囚も

オクラホマ州の規約で、死刑囚は25ドル(約3,500円)を超えない範囲で、最後の日の食事として好きなものを要求することが許されている。オクラホマ州以外にも、死刑制度がある州ではこれまでに「最後の食事」が施されてきた。

例えば、ユタ州で死刑が確定したロニー・リー・ガードナーは、最後の日にロブスターやステーキなどの食事とともに、映画『ロード・オブ・ザ・リング』を要求。

またテキサス州では、過去に食べきれないほど大量の食事を要求した死刑囚の行動が問題視され、この「最後の食事」制度は廃止されている。


■「お金と食材の無駄」の声

フェアチャイルドの「最後の食事」に関する報道を見た人々は、「少年を拷問して殺害したのに、好きなものを食べられるなんて」「被害者に対する侮辱だ」「なぜ死刑の直前に食べ物を与えるのか。お金と食材の無駄だ」と、辛辣な声を寄せた。

また、フェアチャイルドの死刑の執行が、罪の確定から29年も経ってからだったことに対して、「なぜこんなに時間が空いたのか」「少年は3歳で亡くなったのに、犯罪者はその後29年も生きることができた」と憤りを示す人も多い。

アメリカでは、死刑制度の影響が有色人種や精神疾患のある人、貧困層に偏っているとして、廃止を推進する声も少なくないが、上記のようなコメントを見る限りでは、完全廃止にはさらなる議論が必要とされるようだ。

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(文/Sirabee 編集部・広江おと

死刑前日「最後の食事」制度が物議 ハンバーガーやスイーツを要求した受刑者