ドラマ「コード・ブルードクターヘリ緊急救命-」シリーズ(2008年ほか、フジテレビ系)や「大恋愛~僕を忘れる君と」(2018年、TBS系)などで知られる俳優の戸田恵梨香11月20日放送「日曜日の初耳学」(MBS/TBS系)の「インタビュアー林修」コーナーに登場。林修を聞き手に、出演作品への思いを打ち明けた。

【写真】座った姿も美しい戸田恵梨香

■「“活気あふれる”だけではない空間でした」

16歳で役者を目指し、神戸から上京した。芸能を志した最初のきっかけは、家族でドラマのNG集を見て、「この仕事をしている人たち、楽しそうだな」と思ったことだったという。

20歳で出演した「コード・ブルー」では、フライトドクター候補生の緋山美帆子を演じた。「キャストそれぞれプレッシャーと熱意があって、活気あふれるだけではない空間でしたね」と当時を回想。同年代の共演陣を「完全にライバルだと思っていた」と話し、「どうやって結果を残すのかっていうのに、それぞれがたぶん必死だったと思います」と振り返った。

共演陣とは第2シーズン(2010年)、第3シーズン(2017年)でも再集結。「(2017年に)再会した時は、それぞれがプレッシャーと緊張感から解かれて、人としても役者としても余裕が感じられて。『頑張ってきてよかった』『この人たちがいれば私もう頑張れる』って思いました」と、また違った感情が芽生えたことも明かした。

■ターニングポイントは「SPEC」

戸田がターニングポイントだったと話すのが、「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」シリーズ(2010年ほか、TBS系)。IQ201の天才捜査官・当麻紗綾を演じた。

「(それまでは)自分の個性がわからない、迷走期だった」という戸田。「だけど『SPEC』で、自分の頭で思いつくものがこれですっていうのを表現できて、役者としての長所と短所が分かって、自分がどういう人間なのかっていうのを少しずつ理解でき始めた」と、特別な感覚を掴んだ。

番組では、「SPEC」シリーズの監督を務めた堤幸彦氏がVTR出演。撮影当時を振り返り、「こちらのあらゆる要求にほぼ120%で応えてくれる、言ったこと以上の何かを残してくれる」と、その演技力を絶賛。「100通りの役を演じたとしても、彼女が持っているくすぶっている炎みたいなものを、なおかつ感じる」「まぁ天才じゃないかこの人は、と思いましたね」と断言した。

■“役を生きた”「大恋愛」

2018年に放送し「泣ける」と大きな反響を呼んだのが、ドラマ「大恋愛」。若年性アルツハイマーを患う主人公・北澤尚を演じた。

「私って“憑依型”じゃないんです。自分の中で(役の感情の動きが)イメージできないと覚えられないんです」と、普段は客観的に役を理解していくという戸田。だが、「『大恋愛』に関しては、そこの(役と自分自身の)境目がわからなくなるような入り方を初めてしました」と、新たなアプローチで挑んだ。

「泣くシーンになると、何も準備してなくてもお芝居をしていると勝手に涙が出てきちゃう。『大恋愛』に関しては本当に“役を生きちゃった”なっていう感覚でした」と振り返り、「ドラマのカメラマンの方が『ドキュメンタリーを撮っているみたいだったよ』って。それはうれしかったし、最初で最後です、今のところ。その境地に入ったのは」としみじみ語った。

11月23日(水)公開の映画「母性」では、娘を愛することができない母親・ルミ子を演じている。「『大恋愛』とは真逆で、頭でしかお芝居していなくて、感情すら追いつかないっていう状況だった」と、役作りの奥深さについても語った。

今後の展望について林先生に問われると「今まで仕事でも結構無理してやってきたところがすごくあったから、自分の思うままに生きたいなと思います。何気ない普通がめちゃくちゃ幸せだなって感じていますね」と感慨深げに話し、インタビューを締めくくった。

「日曜日の初耳学」に戸田恵梨香が登場/(C)MBS