
中国メディアの人民日報は30日、日本の「萌え文化」について、「世界を席巻した日本のソフトパワーを象徴する文化」と伝え、日本で「萌え文化」が流行した理由を考察する記事を掲載した。
記事で、「萌える」という言葉の本来の意味は「草木が芽が伸びる」というものと紹介され、2003年ころから日本ではアニメや漫画愛好家の間で美少女キャラクターなどを見て「血がたぎる精神状態」を指すようになったと紹介。その後は「かわいくて幼稚なさまを形容する言葉になった」と伝えた。
さらに近年はインターネットや日本のアニメ・漫画の人気によって萌え文化が世界を席巻したとし、「日本のソフトパワーを象徴する文化の1つになっている」と紹介した。
一方で、記事は「萌え文化が流行する根底には、人びとの“社会からの孤立”という問題があるのではないか」と疑問を呈し、日本で年間3万人を超える人が自殺していること、うつ病を患う青少年も多いことなどを挙げ、「日本の多くの若者は人間関係がもたらす煩わしさから目を背けようとしている」ことが萌え文化の流行の背景にあると論じた。
さらに、日本では恋愛や結婚を望まない男女が増えていることや、自衛隊の隊員募集ポスターにまで「萌えキャラ」が採用されたことに驚きを示した。
続けて、サッカー日本代表がブラジルワールドカップでグループリーグ敗退という結果に終わったことを挙げ、「萌え文化に腑抜けにされたわけではないだろうが、萌え文化は現実の世界において困難を克服するための闘志を奪い去ってしまうのではないか」と主張。
「萌えの世界」はあくまでも仮想の世界であり、現実の世界は甘くはなく、決して「萌え」な世界ではないとの見解を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Sean Pavone/123RF.COM)

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