けっきょく渋滞減ってねえ!! とも言い切れない?

首都高の実質値上げから半年 交通量は増加

国土交通省は2022年11月18日首都高速道路などの料金改定から半年後の交通状況について発表しました。

首都高では2022年4月から上限料金が普通車1320円から、1950円まで引き上げられました。現金車は距離によらず一律1950円なので、実質的な値上げです。一方で深夜割引(20%)の新設や、事業者向けの大口・多頻度割引の拡充などがなされています。

改定から1か月後、国交省は「首都高の渋滞が緩和」されたなどの効果を発表しましたが、半年後の状況は、やや異なってきたようです。

2021年度の同時期と比べ、首都高の交通量は3%増、渋滞損失時間は10%増加しました。ただコロナ前の2019年度同時期と比べると、それぞれ3%減、23%減となっています。

今回の改定では35.7km以上の走行分が値上げとなりましたが、利用距離別で見ると、0~6km帯から42~48km帯まで一様に増加、48km以上60km超の利用については2~4%減少しました。増加率で最大の6~12km帯はコロナ前よりも利用が増えているため、全体的にちょい乗り(短距離利用)が増え、値上げ幅が大きくなった長距離利用ほど減少した傾向です。

また、深夜割引が導入されたことで、0~4時までの利用が前年比で20%増加しました。しかし、深夜時間帯はコロナ前ほどの伸びにはなっていません。一方、首都高と千葉外環(外環道 三郷JCT~高谷JCT)でどちらを走行しても料金が同じになるよう調整されたことで、千葉外環の利用が前年比で22%増加しました。

国土交通省によると、前年に比べて交通量も渋滞も、首都高含め全国的に増加しているそうです。NEXCO3社の路線では渋滞量が前年比で51%、阪神高速でも渋滞損失時間が35%、それぞれ増加しているといいます。しかしコロナ前の2019年度と比較すると、いずれも交通量は2~3%減少しています。

首都高の上限料金が2022年4月から引き上げられた(乗りものニュース編集部撮影)。