吉沢亮が主演を務めるドラマ「PICU 小児集中治療室」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)の第7話が11月21日に放送。医師として成長しつつ、悩みも抱える武四郎(吉沢)を見守る植野(安田顕)の言葉が感動を呼んだ。(以下、ネタバレがあります)

【写真】患者の少女に優しい笑みを見せる安田顕“植野”

■患者と母のことで苦悩する武四郎

同ドラマは「大規模なPICUの運営は極めて困難」とされる広大な北海道で、吉沢演じる“しこちゃん先生”こと新米小児科医・志子田武四郎が先輩医師らと共に、どんな子どもでも受け入れられるPICU(Pediatric Intensive Care Unitの略称で小児専門の集中治療室のこと)を作るため、そして、1秒でも早く搬送できる医療用ジェット機の運用を実現するために奔走する姿を描く。

“子どもの命”をテーマに「生きるとは」「命とは」「家族とは」という問いに、真正面から向き合うメディカル・ヒューマンドラマとなる。

武四郎の上司で、日本各地でPICUの整備を推し進めてきた小児集中治療のパイオニアである植野元を安田顕、武四郎と同時期にPICUに配属された救命医・綿貫りさを木村文乃、植野にヘッドハントされてPICUにやってきた看護師・羽生仁子を高梨臨、武四郎の幼なじみの救命医・矢野悠太を高杉真宙、同じく幼なじみの小児外科医・河本舞を菅野莉央、武四郎が子どものころから好きだった涌井桃子を生田絵梨花、女手一つで武四郎を育てた母・南を大竹しのぶが演じる。

第7話は、武四郎が寝る間も惜しんで拡張型心筋症の圭吾(柊木陽太)を見守るなか、母の本当の病に気付き苦悩する展開に。また、悠太の決断も描かれ、それらにそっと寄り添った植野の言葉が感動を呼んだ。

■悠太が武四郎の姿に影響を受けて決意

何日も泊まり込んで患者に懸命に向き合う武四郎。そんな姿を植野は見守りつつ、PICUで続くスタッフ不足も懸念。そこで呼び出したのが、先輩医師からのパワハラを受けて勤めていた病院を辞めた悠太だ。

ところが悠太は植野が話し始める前に「医者に戻りたいんです」と持ち掛けた。圭吾に寄り添う武四郎の姿を見て「あいつみたいになりたいというか」と思ったのだった。

「よかった。僕もね、同じ話だったんです」と答えた植野に、悠太は深く頭を下げた。そして植野は続けて「あなたはダメじゃないですから。頭を上げて! 心無い暴力で殴られた人は、殴られたことを謝ったらダメじゃない」と、ほほ笑んだ。

悠太は、東上(中尾明慶)のように救命救急科とPICUを兼務して働くことになり、武四郎も喜んだ。

■植野が武四郎にかけた言葉とは…

そして、新たに運ばれてきた少女の病状に気付いて、成長を見せた武四郎だが、久しぶりに帰った自宅で、南が処方された薬を発見。がんであることを聞き出した。

検査結果を見た武四郎は、ステージ4のうえ、骨転移していることも知る。「とにかく痛いかな…」と症状を話す南だが、治療はしないと決めていた。

武四郎の顔色が悪いことに気付いた植野に、「僕、頭、ぐっちゃぐちゃで」と相談。武四郎の家に向かった植野は、がんの治療に嫌な思い出があるという南の気持ちに寄り添いながら「何か困っていることはありませんか? 痛みや苦しみを取り除くだけの治療もあります。そういうケアが得意な医者もうちの病院にいます」と提案した。

植野の優しい話しかけは南の心を解きほぐした。また、医者でありながら母の病気に気付けなかったことを悔やみ、医者であることで最悪の事態も考えることになった武四郎には、「僕たちがやれることは、あるところまでは人間の仕事なんだけど、あるところから先は神さまの領域で、どんなにがんばってもたどり着けない。家族のことが一番悲しい。それはまったく恥ずかしいことでも、申し訳ないと思うことでもないよ。泣いてもいいんだよ」と語った。

患者はもちろん、周囲の人々に向ける植野の笑顔や心遣いが胸を打つ。植野が繰り出した言葉の数々も、心にとどめておきたいものだった。今回もタイトルがTwitterのトレンド入りするなか、「植野先生最高過ぎる」「植野先生の包容力に救われた」「植野先生の深い深い優しさがしみる」「今日は植野先生に泣かされました」といった植野への称賛が多く寄せられた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

武四郎(吉沢亮)を優しく見守る植野(安田顕)/(C) フジテレビ