出産予定日よりも3か月早く誕生した双子の男児が、無事に1歳を迎えたというニュースがスコットランドより届いた。双子の誕生から3か月間、共に新生児科病棟で過ごした両親は「あらゆる困難を乗り越えられたのはそこで働くスタッフのサポートのおかげ」と話している。『Edinburgh Live』『The Mirror』などが伝えた。

スコットランドエディンバラで暮らすピーター・マッケンナさん(Peter McKenna、33)の妻シャーロットさん(Charlotte、33)は昨年8月10日、妊娠6か月で双子の男児ルーベン君(Reuben)とサイモン君(Simon)を出産した。

予定日より3か月早く生まれたルーベン君の出生体重は1ポンド10オンス(約787グラム)、サイモン君は2ポンド8オンス(約1134グラム)だったが、あらゆる困難を乗り越えこのほど退院から1年を迎えた。

ピーターさんは出産に至るまでの経緯をこのように振り返った。

「妊娠初期からかなり不安定な状態でした。シャーロットは排卵誘発剤を服用していたので、双子の可能性があると分かっていたんです。妊娠10週目に双子であることが判明して、超音波検査で小さな2つの心臓の鼓動を見た時はとても興奮しましたが不安も大きくて…。その1か月後にシャーロットは大量に出血してしまい、赤ちゃんを失うのではないかと心配しましたが何とか無事でした。」

「それから数週間が経った2021年8月8日、私たちはハートフォードシャーで開かれた結婚式に出席しました。その翌日、7時間かけて車で帰ろうとしたらシャーロットの気分が悪くなってしまったんです。病院に電話するとパラセタモール(解熱鎮痛剤)を飲んで1時間様子を見るようにと言われました。しかし6時間後、エディンバラに着いてからも症状は改善せず、痛みが続いていたのでエディンバラ王立病院(Royal Infirmary of Edinburgh)に直行しました。すると子宮口が開いていることが分かったんです。予定日より3か月も早い出産となったので、小児科のコンサルタントが早産児に起こる病気や合併症について説明してくれました。そして陣痛室で待機していると、異変に気づいた産科医から緊急帝王切開が必要だと告げられました。胎児より先にへその緒が子宮口から出てしまう臍帯脱出が起きてしまっており、このままだと赤ちゃんが窒息する危険もあるというのです。それを聞いた私たちはパニックになり、私はシャーロットに『愛しているよ、すぐに会えるよ』と伝えました。そして彼女はそのまま車椅子に乗せられて手術室に向かいました。」

手術中は別室で待機していたピーターさん。当時は「うまくいかなかったらどうしよう…」と悪いことばかり考えていたという。しかしそれから1時間後にピーターさんのもとにスタッフが訪れ、「2人の男の子のパパになりましたね、おめでとうございます」と声をかけてくれたそうだ。

双子の誕生から3か月間、新生児科病棟で過ごしたというピーターさん夫妻は入院生活についてこう明かしている。

「保育器には小さな赤ちゃんがいて、それぞれの上には心拍数や酸素濃度の低下を常に監視するアラームが設置されています。私たちが初めて息子たちを抱くことができたのは、生後2週間の時でした。ガラス越しにしか見ていなかった我が子を抱いた瞬間は本当に特別で、一生忘れることはないでしょう。」

「入院中は様々なことが起こりましたが、素晴らしいスタッフに助けられました。サイモンの肺にポンプを入れるのを見なければならなかったんですが、彼らは常にプロフェッショナルで、親にとってはとても恐ろしい状況でもいつも笑顔で私たちを励ましてくれました。そして息子たちにチューブを使ってミルクを与える方法や体温や心拍数が低下した場合の温め方なども教えてもらいました。呼吸が遅くなりアラームが鳴り出す瞬間は本当に恐ろしくトラウマになりそうですが、何をすべきか教えてくれたのでストレスを溜めずに過ごすことができたと思います。彼らは私たちと一緒に日に日に成長する双子を見守ってくれていたのです。」

その後も様々な試練に立ち向かい力強く成長していったルーベン君とサイモン君は、新生児集中治療室(NICU)から特別ケア乳幼児病棟(SCBU)へと移ったのち双子用のベビーベッドに移動した。

そして生後3か月を迎えた2021年11月上旬、2人は医療器具のサポートが不要になり退院が許可された。

それから1年が経った現在、ルーベン君とサイモン君は歩き始めたり、おしゃべりをするようになったという。

ピーターさんはあらゆる困難を乗り越えられたのは新生児科で働くスタッフのサポートのおかげだと話しており、感謝の気持ちを次のように述べている。

「私たちの人生で最も困難な時期のひとつでしたが、スタッフは私たちの息子たちが生き残るためにあらゆる手を尽くしてくれました。私たちは3か月ほど新生児科で過ごしましたが、病棟の看護師たちは本当に素晴らしかったです。無事に1歳を迎えたルーベンとサイモンの姿を見て、生まれた時には大変だったなんて誰も想像できないでしょう。」

画像は『Edinburgh Live 2022年11月18日付「Edinburgh miracle twins defy the odds after being born three months early」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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