サウジアラビアのスポーツ大臣が、民間部門によるプレミアリーグのクラブの買収を支持することを明言した。24日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 先日、リヴァプールを所有するフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)がクラブ売却に動き出したことが報じられたほか、マンチェスター・Uオーナーを務めるグレイザー・ファミリーもクラブの売却を含め、成長を促進するための戦略的選択肢を検討していることを表明するなど、売却の可能性を探っていることが明らかになっている。

 プレミアリーグでは2021年10月にニューカッスルサウジアラビア政府系ファンド等からなるグループにより買収された。すでに2億ポンド(約3360億円)以上が補強に費やされ、今夏にはスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサクをクラブ史上最高額となる6000万ポンド(約101億円)で獲得することに成功するなど、豊富な資金力を手にした。その影響もあり、チームは今年8月31日以降の公式戦で無敗をキープするなど、買収からわずか1年ほどでプレミアリーグでは現在3位の位置につけている。

 そんななか、リヴァプールマンチェスター・Uが売却を検討していることで、さらにプレミアリーグサウジアラビア系のオーナーが誕生する可能性が浮上している。サウジアラビア政府のスポーツ大臣を務めるアブドゥラジズ・ビン・トゥルキ・アル・ファイサル王子はこの噂について聞かれると、プレミアリーグへの関心があることを強調し、民間部門による買収意向があれば明確に支持する考えを明かした。

「民間部門の代表として話すことはできないが、多くの関心と興味があり、サッカーには多くの情熱がある。サウジアラビアやこの地域で最も注目されているリーグで、多くのプレミアリーグファンがいる」

「(サウジアラビアの)民間部門が参入すれば、私たちは間違いなくそれを支持するだろう。それが王国内のスポーツにいい影響を与えることを知っているからだ。しかし、それをすることをいとわない投資家がいて、その数が増えるのなら、いいことだろう?」

 また、今シーズンのプレミアリーグで好成績を収めているニューカッスルについては「彼らは素晴らしい仕事をした。まだまだ長い道のりがあり、適切な人を連れてきている。彼らはリーグチャンピオンズリーグなどで優勝することを目標にしていると確信している。なぜなら、彼らは最高を目指して努力しているからだ。ニューカッスルにとっては明るい未来になると思うよ」とさらなる飛躍に期待を寄せた。

サウジアラビアのスポーツ大臣を務めるアブドゥラジズ王子 [写真]=Getty Images