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 人類が創出すべき新大陸はギガテラ級の船なのか?ウミガメの形を模したこの船は、全長なんと550m。6万人をその背に乗せて海を泳ぐ巨大な海上都市だという。

 かつて存在した超大陸「パンゲア」にちなんで命名された「パンゲオス」は、イタリアの設計者が発表した未来の都市だ。

 ご予算およそ1兆円超。係留すれば世界最大級の浮体式構造物にもなるというSFみたいな都市構想をみてみよう。

【画像】 全長550m!未来の海上都市パンゲアスは亀のような巨大船

Pangeos the Terayacht

 イタリアの設計者ピエールパオロ・ラッツァリーニが思い描いた未来の都市。それは海上を巡る亀のような巨大船だ。

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 テラサイズの遊行船と称される巨大船の名前は「パンゲアス」。その由来はおよそ2億年ほど前に存在したとされる超大陸「パンゲア」にある。

 全大陸がひとつまとまり巨大な陸を形成していた時代。そんなイメージからデザインされたパンゲアスのサイズはなんと全長550m、最大幅610mと超巨大なのだ。

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 全長からして、かつて世界最大の船といわれた石油タンカー「ノック・ネヴィス」(458.45 m)を上回るおそろしい規模だが、それを亀形の海上都市にするとは大胆な発想だ。完成すれば、日本が誇る大怪獣「ガメラ」どころじゃないモンスターシップになるだろう。

6万人まで収容可。ホテルや港や空港も完備

 ラッツァリーニ氏によるとこの船は鋼鉄製だが、都市としてのパンゲアスは、ホテルやショッピング センター、公園のほか、より豪華なホテルやクラブ、おまけに船舶用の港や空港も備えており、最大6万人まで収容可能。

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 また亀の形にこだわったのは、中央が丸い独特なフォルムでこの船で過ごす全ての人が円滑に交流できる空間づくりを意識したからだ。

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高温超伝導モーター9基を搭載。無限に巡航させるシステムも

 そこで気になるのがこの巨大船の推力源だ。当然ながら強力な推進力が必要になるが、パンジオスには最先端の高温超伝導モーターが9基も搭載される。

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 それぞれのモーターが16,800 馬力に相当する出力を生むため、時速およそ9kmという威厳ある巡航が叶うという。

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 また都市機能に必要な電力はソーラー パネルで補うが、ウミガメのヒレに相当する巨大な構造でも電力が生み出せるという。

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 それはある種の波エネルギー発生システムであり、海からのエネルギーを利用すれば無限に巡航することもできるそう。

建造費は1兆円超!2033年から建造開始の計画も

 まるでSFみたいな構想だが、意欲的なラッツァリーニ氏はこの巨大船の建造を早ければ2033年にも始め8年かけて完成させるとし、資金調達まで始めている。

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 同氏の見積もりでは、建造費は80 億ドル(約1.1兆円)ほど。その調達手段はクラウドファンディングで、まだできてもいない船の仮想入場チケットを14 ポンド(約2,300円)、VIP用のスイートルーム140ポンド(約23,000円)で販売しているそうだ。

 同時にこの船にふさわしい造船所「Terashipyard(テラシップヤード)」の建設地も模索中。

 現在の候補はサウジアラビアのキング アブドラ港内で、海底の一部を埋め立て、造船所を建設する話し合いまで進んでいるそうだ。

 と、ここまで聞いてもちょっと見当つかないのだが、今の時点ではどこからどこまでが実現可能なんだろう?海上都市とかビジュアル的にはわくわくするけど壮大な夢で終わっちゃいそうな気がするのは私だけかな?

References:newatlas / pangeosyacht / dailystarなど /written by D/ edited by parumo

追記:(2022/11/25)本文を一部訂正して再送します。

 
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1兆円以上を投じて亀の形の動く海上都市を建設するというプロジェクト