ベビーカー

皆さん、元気ですか。 突然ですみませんが、筆者は家内と4人の子供を儲けて育てており、山あり谷ありだった人生にある種の実りの彩りと、人生折り返しの下り坂を味わっております。若い頃は51kgだった体重もいまや100kgに迫る勢いです。人生を豊かにするはずが、物理的に太ってどうする。

そんな中、先日「子連れでスタバは非常識」という発言がネットでぶっ放されると大変な物議を醸しました。震源地は各種ネット利用者調査で独身中年男性や低所得が集うと見られるはてなアノニマス(匿名)ダイヤリー、通称「増田」です。

なんで子ども連れてスタバに来るの?

まあ、要するに「みんな落ち着いてコーヒー飲みにスタバ来てんのに、騒ぐ赤ちゃん子ども連れてんじゃねえよバーカ」という内容で、いろんな人が見事に煽られ、ネットでも無事賛否両論になってました。


画像をもっと見る

■ある種の「お互い様」

半分ぐらい言い分が分かるのは、何を隠そう私も仕事や打ち合わせの合間に、メールを返したり資料を送ったり企画や原稿を書く際スタバに立ち寄り、そこでうるさい子連れの客がいると「チッ、うっせーな」と思うことがあるからです。なんでスタバ来て騒いでんだよ。こっちはコーヒーしばきながら働いてんだよ。子連れはマック行けマック。そう思うことは確かにあります。

他方で、子どもの送迎で上の子を幼稚園に送り、下の小さい子を連れたママたちと流れてスタバで子連れお茶をすることがあります。そりゃもう小さい子同士で大騒ぎでやんすね。

クッキーは投げるしオシャレ椅子にはよじ登るし、基本的にろくなことはしません。拙宅山本家も腕白盛りの長女がコーヒー片手にスマホを見ているサラリーマンとこに乱入するなどの狼藉が絶えず、親として申し訳ない気分でいっぱいです。迷惑かけて悪かった。

子どもを育てていると自分が騒がれて仕事を邪魔されてうるせえと思う反面、自分の子どもも言うことを聞かない状態で対処をすることで、ああ、きっと私も子どものころ面倒くせえガキだったんだろうなあという追憶と共に反省もし、ある種の「お互い様」を勝手に感じるわけですよ。

もちろん、我が子が邪魔したお相手からすればそんなこと知ったことじゃねえ、迷惑なんだよという話なんでしょうが。


関連記事:エハラマサヒロ、子連れのお出かけに対する非難に返答 ファンからは反響

■「双子ベビーカー乗車拒否」巡り物議

そこへ、大山加奈が出てきて俺たちの関東バスに双子乗りベビーカーの馬鹿でかいのを乗せようとしてバス運転手に塩対応され、ネットで暴れて物議を醸すというネタが勃発しました。定期的に起きますねこういうの。

私も年子の幼い長男次男を片方ベビーカー、片方おんぶで空いてるバスに乗ろうとしたとき、バス運転手が乗車拒否気味の話をしてきてブチ切れたことはあります。

その場で乗務員は乗車を認めるルールがあり手伝うのは大前提なのに空いてるバスに乗せないとは何事かと伝えて、慌てた運転手さんが謝罪がてら手伝ってくれたことはあります。

ただ、これは私が男性だからであり、声もでかいから手伝ってくれた可能性はあります。似たような状況になった私の家内がバス乗務員の手伝いが得られず、乗り合わせたご婦人が手を貸してくれたと憤懣やるかたなく愚痴られた経験があるのを加味すると、やはり子連れの母親への世間的な風当たりは強いんじゃないかと思うこともあります。


■ネット住民の見解は…

ただ、ルールとしては乗車させるべきとはいえ、横ノリの双子ベビーカーで都バスに乗るよというのは仮に認められていたとしても危ないことには違いはなく、幼子二人の場合は二人乗りベビーカーではなくひとりはベビーカーひとりはおんぶで対応するしかないのかなとも思います。

バスのような公共交通機関の乗降だからまだいいものの、道端の段差が上がれず立ち往生するベビーカーとお母さんを割とよく見ますからね。さて、そういう子育て環境に対する問題を、お前らネット住民はどう見ているのでしょうか。

■公共の場で困った・迷惑した経験は?

Q. ご自身や、他の子育て世帯などで、公共の場所で困ったり、迷惑したご経験について、差し支えなければ簡単にご状況やお感じになったことをお聞かせください。

公共の場で困った・迷惑した経験 男女

むむ。やはり、子連れの父ちゃんより母ちゃんのほうが、全体的に大騒ぎして言うことを聞かない自分の子どもで困ったり、誰かの子どもで迷惑したりという経験を多くしているようですな。では、お前らの子育て経験をクロス集計してみましょう。

公共の場で困った・迷惑した経験 男性

公共の場で困った・迷惑した経験 女性

傾向として、子育て経験がある人が圧倒的に子どもで困った経験を持っていると言うことは、逆説的に子どもが騒いであわあわする機会は多いものの、自分の子どもで困るはずがない子育て経験のない男女のほうが低率なのを考えると、自分の子どもが騒いで困っているものの周囲は別に気にしていなかった可能性が示唆されます。

確かに私も電車やレストラン子どもが大騒ぎして「静かにしろ、周りに迷惑だろ」とあやして叱ることもありましたが、数字で見るとこの落差で考えれば騒ぐ子の親が思うほど周りは迷惑を感じておらず暖かい目で見てくれていたのかもしれません。


■特徴的なのは女性側の受け止め方

また、同じく傾向値として、「子育て経験のない男性」は、騒ぐ子どもに不寛容の可能性が高いこともここで示唆されます。子育て経験のない男性の年齢が上がるほど、子どもに対して迷惑を感じた率が高くなっていき、65歳から69歳男性でピークになります。

少なくとも、子育て経験のある男性は加齢とともにそう大きくはガキがウゼェとは思う率が上がらないようです。まあ、なんだかんだ自分の子どもが騒いで迷惑かけた経験があれば、他人の子どもが騒ぐことに寛容になるのも当然と言えます。

ただ、傾向としておっさんのほうが加齢とともに子どもへのムカつき度合いは強くなるようです。世に言う「騒ぐ子どもにキレる他人のオヤジ」の出現率が高いことを考えると、どうも世の中の子育てへの風当たりの強さの原因はもっぱらジジイの側にあるように見受けられます。

特徴的なのは女性側の受け止め方で、子どものいない女性は他人の子どもが騒ぐとウザがるものの、その後、ご出産をされたかされないかに関わらず、加齢とともに大きく数字は変わることなく静かに枯れていくのが視認されます。

生涯子どもは持ちたくない、嫌いだと考える女性は別の統計では15%ぐらいと低率であることを考えると、この世の暖かさは女性がある程度支えているのかもしれません。


■「スタバに子連れ」はどう思う?

ついでに、お前らに「スタバに子連れ」そのものの是非についても質問しています。悲しいことに、一部の県のパネリストからは「スターバックスって何?」とか「人生で一度でいいからスタバ行ってみたい」などという悲痛な回答が複数寄せられ、調査に当たった私の涙腺を刺激しました。

Q. スターバックスへ、まだ大泣きしたり立ち歩いたりする年齢(0歳から3歳ぐらいまで)の子ども連れで入店することの是非が話題になっています。あなたは子どもを連れてスターバックスに入店することに対してどう思いますか。もっとも近い意見のものをお選びください。

・a:まったく構わない。歓迎する

・b:子どもの泣き声や立ち歩きは気になるが、仕方ない

・c:日によって、感じ方が異なる

・d:子どもがいるのは構わないが、騒いだり歩き回るのは嫌だ

・e:子ども連れはスターバックスに入店するのは許せない

・f:どうでもいい、あまり考えたことがない


「子育てスタバ」あなたの意見は?

ここでビックリ、我らのスタバ利用については寛容度に男女逆転現象が。加齢でとくに態度に有意な差はないけれど、傾向として男性のほうが全体的に「子どもスタバで騒いでいても構わない」「スタバで騒いでもどうでもいい」という差異が勃発。なんだこれ

仮説としては、おっさんスタバに入るのはスマホクソ記事読んだりゲームしたりとひとりの時間を過ごす傾向が高い一方、女性はババアを中心に友達との語らいや同僚とお茶するようなコミュニケーション主体の利用であるため周りで子どもうるさいと話が聞こえなくてダルいとかそういうことなのかもしれません。


■「社会における独身男性の不寛容さ」が顕著

ただ、全体的に増田で書かれてたような「スタバ子どもが騒いでる」件でお前ら子連れはスタバに来るなと思ってる男女の割合はどちらも1%台でほぼ誤差であり、これはもう子育て世帯は文句付けてくるマイノリティーはガン無視でいいからどしどし赤ちゃん連れてスタバでお茶して良し! 文句付けてくるやつは異常者! 騒ぐ子どもはお互い様! 快適な育児ライフに日本社会はもっと貢献しろ! と胸張っていいと思いますね。

全体的に、こんなテーマでも「社会における独身男性の不寛容さ」が少し目立つ格好となりました。割合的にはそこまで大きくないようにも見えますが、一応は有意差をもってジジイが出しゃばって世間にいろいろ言うとろくなことがないという結論に達することになりますので、心がけとして、独身男性は特に歳を経るごとに心穏やかに、寛容である自分を心がけるようにすると世の中が良くなるのではないでしょうか。

すべての人に、ちょっとした心がけでストレスの少ない快適な世の中を。


Sirabeeでは、切れ味鋭い社会批評で知られる投資家の作家の山本一郎やまもといちろう)さんの連載コラムを公開しています。ネットで話題となったテーマアンケート調査データと組み合わせて分析していく連載です。


今回は「議論を呼んでいる『バスに双子ベビーカー突入』から『子連れスタバ批判』をネット住民の見解とともに考察」を掲載します。

・合わせて読みたい→エハラマサヒロ、子連れのお出かけに対する非難に返答 ファンからは反響

(取材・文/山本一郎

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ 調査期間:2022年10月25日2022年10月26日および10月28日
対象:全国10代~60代男女
有効回答数:822件

大山加奈「バスに双子ベビーカー突入」から「子連れスタバ批判」の煉獄