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11月23日(現地時間)、サッカーW杯のカタール大会で強豪・ドイツに逆転勝利を収めた日本代表。劇的な試合に日本中が沸くなか、自主的に会場の清掃を行った日本サポーターにも注目が集まっている。

FIFAワールドカップの公式Twitterアカウントは24日、整理整頓された日本代表のロッカールームの写真を添えてこう綴った。

ドイツに歴史的な勝利を収めた後、日本のサポーターはスタジアム内のゴミを片付け、@jfa_samuraiblue(編集部注:サッカー日本代表アカウント)は、こんな感じでハリファ国際競技場の更衣室を出ました。ピカピカ。Domo Arigato》

さらに、FIFAワールドカップの日本語アカウントも、《世界中から称賛される日本人ファン ! 歴史的な勝利の後もスタジアムを清掃する姿に心からリスペクトです》と動画を添えてツイートした。

日本選手や日本サポーターによる清掃活動は、SNSを中心に賞賛の声が相次いでいる。ところが、そんな日本勢の行動に国内から異論を唱える人物が。それは前東京都知事の舛添要一氏(73)だ。

舛添氏は25日、《日本のサポーターがスタジアムの清掃をして帰るのを世界が評価しているという報道もあるが、一面的だ。身分制社会などでは、分業が徹底しており、観客が掃除まですると、清掃を業にしている人が失業してしまう。文化や社会構成の違いから来る価値観の相違にも注意したい。日本文明だけが世界ではない》とツイート。日本人が清掃をすることによって、現地の人の仕事を奪ってしまうという主張だ。

さらに大王製紙元会長の井川意高氏(58)も24日から25日にかけて清掃について批判するツイートを繰り返しており、物議を醸している。

まず、FIFAワールドカップがTwitterで日本代表が更衣室を片付けたことなどを紹介したことに触れ、《こういうの 気持ち悪いから やめて欲しい ただの自己満足 掃除人の仕事を 奪ってる》と非難。

さらに別ツイートでは、次のような持論も。

カタールの ゴミ拾い ツイートして やはり 世界のこと 知らない 日本人多いこと 再認識させられた 日本の美徳は 海外では 凶暴でさえある 学校の掃除を 生徒がすると 掃除人の職を奪っていること 日本の教育で 育ってる日本人には 理解し難い》

■「身分社会では軽蔑までされますよね」とも投稿

批判する複数のユーザーとも応酬を繰り広げる井川氏。その主張は止まらない。

《まあ 端的にいって サッカー場の ゴミ拾いしたことを 褒めてもらって 喜ぶくらいしか 日本人の自尊心を 満たせることが ないくらい 誇れるもののない 貧しい国に なったということだ 赤ちゃんが泣いたら 文句つけるような国民の 美徳? 笑わせるな》とも、怒りを滲ませた。

さらに井川氏は舛添氏のツイートを引用し、《身分社会では 軽蔑まで されますよね》とも投稿したのだった。

「日本サポーターが会場の清掃を行う様子は『BBC』や『デイリー・メール』など複数の海外メディアも取り上げ、賛辞を送っています。ドイツ戦終了後には会場のボランティアスタッフたちが、清掃する日本サポーターに感謝の言葉を伝えていたといいます。カタールの運営委員会も『感銘を受けた』として、ゴミ拾いを行った日本サポーターを表彰しました。

日本人サポーターが現地会場を自主的に清掃することは、過去大会でも取り上げられてきました。しかし『日本人が仕事を奪っている』と国際問題に発展した事例は、今のところ聞いたことがありません」(スポーツ紙記者)

会場をきれいにして去ろうとした日本人たちの振舞いに、「人の仕事を奪うな」と主張した舛添氏と井川氏。しかしさほど共感は得られなかったようで、ネット上では冷ややかな声が上がっている。

《発想がネガティブすぎる》
《ゴミ拾いや清掃をしてはならないというルールがないのなら、やるのは個人の自由》
《清掃員の仕事を知らないから「仕事奪う」とか言っちゃう 褒められて素直に喜べないって可哀想…》