ブス会*2年ぶりの新作公演となる『The VOICE』が、11月24日(木) 杉並区西荻窪にある遊空間がざびぃにて開幕した。

2010年に主宰のペヤンヌマキによって旗揚げされたブス会*では、"自分ごと"を起点に現代を生きる女性に焦点を当て物語を描いてきた。今作は新たな切り口として、ペヤンヌ自身も当事者である杉並区の「都市道路計画問題」をテーマに、街に住む人々の声を舞台上で紡いでいく。また、「音楽伝承劇」として音楽監督を担当する向島ゆり子が生演奏で舞台に色を付ける。

台本がないという本作の下敷きとなるのは住民の声。劇場近隣の店に取材に出向いたり、稽古場に住民を招いて話を伺ったこともあったという。地域に密着して集めたリアルな声を元に、ペヤンヌと俳優陣、スタッフ陣が力を合わせて劇世界を創り上げた。

舞台を見守るのは大きく聳え立つメタセコイヤの木。木を中心に、色鮮やかな衣装に身を包んだ俳優たちが言葉を掛け合っていく。出演者が1人複数役を演じる本作では、役どころによって大きく変化していく俳優の演技も見所となっている。

昔からの住人、蕎麦屋を営む夫婦、コロナ禍に上京した大学生、主婦、床屋……。変化を求める人、"このまま"がいい人……杉並区にゆかりのある沢山の人々。大きな声や小さな声、色んな人の声が、向島の奏でる鮮やかな音楽と共にテンポよく紡がれていく。

今回会場に選ばれた「遊空間がざびぃ」も都市道路計画の補助132号線上にある。当事者の声の結晶とも言える『The VOICE』が本空間で上演されることに大きな意味があると感じる。観劇前、観劇後で感じる街の空気も違ったものになるかもしれない。

公演は11月24日(木)~30日(水) までの全9公演。11月26日(土) 夜公演には、沿道住人の中野千枝をゲストに招き、ペヤンヌとのアフタートークが行われる。

■脚本・演出:ペヤンヌマキ コメント
今回、私はセリフを一切書いていません。
私が杉並区で出会った人たちの声、そこから俳優が感じ取ったものをその身体を通して舞台上で発する。そこに音楽がセッションする。この土地に住む人の声、この土地の声を伝承する音楽劇。そんな作品を作ってみたかった。
手探り状態で始まったこのスリリングな試みに共にチャレンジしてくれたカンパニーの皆さんに深く敬意を表します。
この場所で、このメンバーだからこそ生まれた、見たことのない作品になりました。
ぜひ体感しに来てください。西荻窪駅から北銀座通りを歩いて10分、遊空間がざびぃでお待ちしてます。

<公演情報>
第8回ブス会*『The VOICE』

2022年11月24日(木)~30日(水) 遊空間がざびぃ

『The VOICE』ビジュアル

構成・演出:ペヤンヌマキ
音楽監督:向島ゆり子
出演:高野ゆらこ / 罍陽子 / 異儀田夏葉 / 天羽尚吾 / 古澤裕介 / 金子清文 / 向島ゆり子(演奏)

【チケット料金】※全席自由・整理番号付
一般:前売 / 当日共に3,500円
U25:前売 / 当日共に2,000円(入場時要証明書)

チケットはこちら:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2232506

公式HP:
https://busukai.com/

Twitter:
https://twitter.com/busukai

ブス会*『The VOICE』より